U18男子日本代表の内藤耀悠は「バトンを受け取る次の世代」と自覚し、ロサンゼルス五輪を見据える
一足先にA代表デビューを飾ったジェイコブス晶に刺激
9月2日からヨルダンで行われる『FIBA U18アジアカップ』へ向け、男子U18代表は強化合宿を行っている。本日、ヨルダン行きのメンバー12名が発表されたが、キャプテンの内藤耀悠(レバンガ北海道)は当然のように選出されている。 4月のドイツ遠征(第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメント)でもキャプテンとしてチームを引っ張った内藤は、自身のプレースタイルを踏まえ、合宿で取り組んでいることを次のように話した。「高校までは基本的にオールラウンドにやっていましたが、これからはよりアウトサイドのスキルが必要になってくるので、そこを合宿で伸ばしたいです。チームの中ではフィジカルが強い方だと思うので、バランスを見て、チームの足りないいろいろな部分を自分がサポートできたらいいなと思います」 内藤は中学1年から北海道の下部組織に在籍し、2022-23シーズンから2年続けてユース育成特別枠選手登録によりトップチーム登録され、今シーズンもU22枠で選手契約を締結した。早い時期から高いレベルで揉まれてきた内藤は、周りにも積極的に行動することを求めている。 「キャプテンだからというのはあまり気にしてはいません。ユースの頃からトップチームの練習に参加してきましたが、選手たちはコート上で静かになる瞬間がないというか、話す数が多いです。話すことの重要性はすごく分かっているので、合宿が始まってからも、声掛けの部分は重点的にやっています。 新しいメンバーは、ドイツ遠征の時のチームルールを100%理解できているわけではないと思うので、僕だけではなく分かる選手が教えていく。分からなければ、(自分で)コーチ陣に聞くことも必要ですね。短期間でチームの完成を目指さなきゃいけないので、オフコートも含めて、チームケミストリーを高めていければと思っています」 2大会連続でFIBA U19ワールドカップに出場し、今年の2月にはスペインに短期留学するなど、内藤は世界のスタンダードを知っている。そして、A代表入りを目標とする彼はパリオリンピックを「バトンを受け取る次の世代」として目に焼き付け、特にリバウンドに注目して見ていたという。 「世界を相手にした時、シュートが入る入らないは正直別の話だと思っています。これまでにいろんな国際試合をやらせていただいた時に、リバウンドを1回で取り切ることの重要性を感じました。意識的にいろいろな数字を見ていますが、(代表の)試合を見てて、取れている本数は増えていると思います。上から言うことじゃないですけど、代表の選手たちがあれだけリバウンドに対する姿勢を見せていたら、アンダー世代はそれ以上を目指す必要があります。日本はどうしても世界に行くと小さいので、リバウンドの意識をもっと全員がつけていかなきゃいけないと思っています」 そして、20歳ながらパリのコートに立ったジェイコブス晶の存在に刺激を受け、A代表入りへの意欲が増した。「ジェイコブス選手は、U19ワールドカップで一緒に戦ったり、BリーグのU18カテゴリーでは3回試合をやりました。チームとしては2回勝ったんですけど、彼を止めることができたとは思っていません。もう1度、チームメートになったり、一緒にバスケットをしたいという気持ちはあるので、ロサンゼルスオリンピックに選ばれたい気持ちはあります」 早くから上の年代とプレーし、先を見据えて行動してきた内藤。彼の豊富な経験値は、アジアの頂点を目指す日本にとって心強い。コート内外で存在感を発揮し、チームを高みへ導いてくれるはずだ。
丸山素行
【関連記事】
- 『FIBA U18 アジアカップ2024』に臨む男子日本代表が決定、東山の瀬川琉久や福岡大濠の渡邉伶音など世代トップ選手12名が名を連ねる
- 自らコーチに売り込み日本代表候補へ、豪州出身のシリル・ミュロ「シュートに自信がありますし、僕はアグレッシブなディフェンダー」
- 『3×3 U18ワールドカップ2024』に出場する女子U18日本代表チームが決定、東小姫、曽根妃芽香ら大学世代が中心に
- 『FIBA 3×3 U21ネーションズリーグ2024』最終戦を制した女子が総合優勝で世界大会出場決定、男子は最終戦を準優勝で終える
- 『第32回日・韓・中ジュニア交流競技会』に出場する男女U18日本代表が決定、インターハイ優勝校より中村颯斗、橋本芽依が選出!