「金遣いが荒いから財産管理してあげる」80代姉妹から約2000万円着服か 口座残高は数百円のみ
介護施設元社長 利用者から着服か
まずこの施設を利用していた80代の姉妹、認知症はなかったということですが、通っていた介護施設の元社長に「金遣いが荒いから僕が財産管理してあげる」などと言われ、通帳やクレジットカードを預けてしまいました。 そして約2030万円を超える被害があるとみられていますが、その中には、生命保険の解約金1200万円相当も含まれているということです。手元に現金があった方がいいから、ということで解約してしまったということです。 さらに自宅を売却して、お金は容疑者の懐に入っているということなんですが、これが横領にあたるかどうかは警察が調べているということです。 そしてクレジットカードですが、約100万円の被害のうち、名義が違うじゃないかとクレジットカード会社から問い合わせがあったものの、容疑者は「孫に当たるんです」とクレジットカード会社に嘘を言った疑いもあり、様々な被害があります。 さらに事件の発覚を恐れて周囲と遮断するために「もう会わない」などという手紙を書かされたという可能性も出てきています。
高齢者への経済的虐待の現状は
高齢の方の財産や年金などを勝手に使い込むことは「経済的虐待」とも言われています。 実際に、このような例がありました。2020年東京で起きた例ですが、認知症の入所者の80代の女性の口座から現金600万円を、介護付き老人ホームの職員が引き出した窃盗の疑いで逮捕されたという事例もあります。 こうした介護職員による高齢者の虐待、厚生労働省による2022年度の統計では856件となっているんですが、その中でも経済的な虐待というのは3.9%と非常に割合が低くなっています。 ただ専門家によりますと「身体的な虐待に比べて、経済的な被害は見えにくい。だから把握されている事案は氷山の一角では」というふうに専門家も指摘しています。 「誰が資産を管理しているのかなど含めて、自治体による積極的な実態把握が必要ではないか」というふうに専門家も話しています。