「金遣いが荒いから財産管理してあげる」80代姉妹から約2000万円着服か 口座残高は数百円のみ
読売テレビ
介護施設を利用していた80代の姉妹の財産を管理し、約2000万円を着服したなどとして、施設を運営していた会社の元社長が逮捕された事件。姉妹の口座には当時、数百円しか残っていなかったことが新たにわかりました。 知人 「保険もあって、普段のお金もちゃんと通帳にあった、それでここまで来ないとあかんの?」 妹 「逃げてきてん、逃げさせられてんねん、私が悪いから」 知人 「何も悪いことない」 妹 「私が(施設側に)相談したんや、姉がこけたりするから」 知人 「それは介護の人やからあたりまえや」 これは去年秋ごろ、80代の姉妹が知人に被害を相談したときの映像です。 姉妹の知人男性 「お金を使いすぎるから、私が預かっていますとか、そんなことばっかり言うわけで、でも親戚でもない後見人になっているわけでもない。 これはおかしいなと思って」 27日、取材に答えたのは、80代の姉妹から相談を受けた知人の男性。明らかになったのは、経済的虐待ともいえる卑劣な犯行の実態でした。 西村菜花 記者 「姉妹の財産を着服していたなどとして逮捕された男の身柄が検察庁に送られます」 27日送検された、介護施設運営会社の元社長、西影由貴容疑者。 去年7月までの約2年間に、施設を利用していた80代の姉妹から約2000万円を着服したなどの疑いが持たれています。 容疑者(吹き替え) 「金遣いが荒いから僕が財産管理してあげる」 警察によると、西影容疑者はこうウソをつき、 姉妹の通帳やキャッシュカードなどを預かったと言います。そのうえで姉妹の生命保険を解約させるなどして、現金を132回にわたり、口座から引き出していました。今年2月時点で、姉妹の口座の残高は数百円しかありませんでした。 さらに西影容疑者は、着服したとされる2000万円とは別に、姉妹の自宅を売り払い、約800万円をふところに。姉妹は手配された集合住宅に無理やり引っ越しさせられますが、そこでの生活は虐待ともいえる悲惨なものでした。 姉妹(吹き替え) 「金は与えられず、電気やガスは止められ、風呂に1か月以上入れなかった。食パン1枚を2人で分けたこともあった」 姉はクーラーもない部屋で熱中症になり、病院に搬送されたこともあったということです。 27日、姉妹から被害の相談を受け、警察に通報した男性が取材に応じ、当時の実態をかたりました。 警察に通報した清掃員の夫 「(姉妹は)怖がっていましたね 。(西影容疑者に)怒られると。マンションの下で、うちのかみさんとかとしゃべっていても、近所の人間としゃべるなとか、そういうこと言われると、怒られるねんと。一介護事業者がそこまでするのかなと」 男性らはその後、姉妹から「もう会わない」などと書かれた手紙をもらったということです。 姉妹(吹き替え) 「今後、私たちに関わることについて、何か言いまわるようなことは一切しないでいただきたい。連絡を取ったりお会いする気もございません」 この手紙は西影容疑者が、事件発覚を免れるために姉妹に書かせていた可能性があるということです。 なぜ、姉妹は西影容疑者を信用して財産を管理させてしまったのでしょうか。 姉妹(吹き替え) 「介護施設の人がそんなことしないだろうと信じてしまった」 西影容疑者は調べに「金の引き出しをお願いされてやった」などと容疑を一部否認していますが、警察は借金の返済や会社の運転資金に充てるために犯行に及んでいたとみて、調べています。 ◇◇◇ (黒木千晶キャスター) 改めて今回の事件について振り返っていきたいと思います。