なぜ? 発売から49年、日本の大定番「キャンパスノート」が書き心地、丈夫さ、低価格を守り続ける理由
◆安心して使ってもらうための「耐久性と丈夫さ」
耐久性と丈夫さを決めるのは、製本と背クロスと呼ばれる背のテープの部分。背割れしたり、中紙がばらけたり、はがれたり、ハードに使っても、そういったことが起こらないように、製本方法と背クロスについては細かく進化させているそうです。 元々、それまで主流だった「糸とじ」ではなく、ノートの表紙と中紙を糊だけで固定する「無線とじ」を積極的に採用したのが、キャンパスノートでした。糊だけで固定しつつ、見開きやすく、ページがばらけにくい製品を作る技術力が、初代キャンパスノートを支えていました。 「コクヨ全体としては、別のブランドでざらざらした書き応えのある紙を使ったノートや、用途別の小学生向きのような、ツルツルした、筆圧が弱い人でも書きやすく消しやすいところを狙ったノートも作っているのですが、キャンパスノートに関しては、多くの人が書きやすいと思う、中庸であるようなゾーンを狙っています」と絵馬さん。 「表紙デザインにしても、商品化前の消費者アンケートで、“何が好き”ではなくて、多くの人が“嫌いと言わない”デザインを選んできたという歴史があります。そういう点でも書き味と同じく、中庸を選んでいるのかなと思います」と開発担当の中村さん。
◆キャンパスノートが考える表紙デザインとは
とはいえ、キャンパスノートには「ノー3A」のような、スタンダードな製品もありますが、各年に発売される限定のパックノートの中には、かなり攻めたデザインのものもあります。 また、小学生向きの製品には、動物柄やキャラクターが入ったものなどもあって、さらには、先にもふれた「限定 キャンパス肉球ソフトリング」のような、全面に猫の毛並みのアップが使われている思い切ったデザインの製品も登場しています。 「肉球シリーズは、ちょっとイレギュラーな製品なんです。これは、私たちのチームとは別のチームが担当しているのですが、ソフトリングノートの魅力を伝えたいというところから生まれた製品です。ソフトリングの柔らかさを肉球に見立てられないかな?というアイデアですね」と絵馬さん。 この「限定 キャンパス肉球ソフトリング」には、なんと猫耳型のふせんもオマケに付いているという徹底ぶり。第1弾では犬猫の手を模したアタッチメントも付いていたのだそうです。 実際、リングノートのリング部分が柔らかくて、手が当たっても痛くない「ソフトリングノート」は、使ってみると想像を超えて柔らかくて、本当に手が痛くならないどころか、リングを邪魔に感じない製品です。 ただ、それは使ってみて気が付く部分でもあるので、このような思い切ったプロモーションも必要という判断だったのでしょう。