GMとは何か?そのために現役時代から意識する重要なこと。バスケットボール青野和人さんのセカンドキャリア<後編>
コントロールできることに集中を!
――最後に、自身のキャリアに悩んでいるアスリートの皆さんにエールをお願いします。 青野 自分に対してかけられるエネルギーというのは、自分ではわかってるとは思うので、そこには不安を感じずに、それよりも周りの人たちに、しっかりとエネルギーを注ぐことができるような人間になって欲しいなと思います。あと、ゆくゆくはぶちあたる壁に対してですけれど、コントロールできることだけに集中して、コントロールできないことに自分の気持ちを持ってかれないように。というところですね。 ――“コントロールできること”というと、具体的にはどういうことでしょうか? 青野 まずコントロールできないことですが、自然災害はもちろんですが、業界環境やチーム事情、企業の経営状態など社会人として生きていく中で、自身ではコントロールできないにも関わらず、自身に大きな影響を与える事象という者は沢山ありますよね。先ほどの話と繋がってくるのですが、そういった問題は避けることができませんが、そういった困難に直面したときには、矢印を自分自身に向けながら、自分のことを自分でコントロールして、コントロールできないところは、目を背けるのではなく、気を配りながら自身がコントロールできないことを理解した上で気を付けて進む。そうすると自身がコントロールできることの範囲も広がりますし、コントロールできることに集中して臨むことができます。自身ではコントロールできない事象に思い悩んでも良い結果を得ることはできません。 あと、最後に付け加えるとしたら、今起きている自分の不安や苦しみは、 それらを味わってない人よりも必ず強みになります。自分も試合に出られない人の気持ちもわかりますし、トライアウトで受からない人の気持ちもわかりますし、蹴落とされた人の気持ちもわかります。逆に上に上にと上がった時の恐怖も理解できます。今、そういう苦しい、嫌だなと思ったことは必ず自分の糧になると思います。また、そのときに思い込みであったこと、例えば、自分だけが孤立していくような感覚になってしまうとか、すごい憎たらしいって思っていた人が実はそうじゃなかったとかも含めて、様々な経験を経ることで視点が変わってくると思うんです。大変なことも多いと思いますが、辛く苦しいときこそ、その経験が未来の自分を作ってくれると信じてポジティブに物事を捉えて欲しいと思います。
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