新渡戸文化学園、地域と生徒の未来を創造する「スタディツアー」がグッドデザイン賞を受賞
学校法人新渡戸文化学園(東京都中野区)は、地域との連携によって生徒が主体的に学びを深める「スタディツアー」プログラムにより、2024年度グッドデザイン賞 金賞 経済産業大臣賞を受賞した。 【画像】デザインポイントとビジョン スタディツアーは、「観光地での思い出作り」といった要素が強い従来の修学旅行を見直したプログラム。地域社会と密接に関わりながら、生徒が自ら課題を見つけて解決に向けた行動を取るという新しい教育デザインが評価された。 同ツアーでは、中学と高校の6年間で生徒自身が行きたい地域を決め、寝袋や米、みそを持って旅に向かう。生徒たちは知らない大人と出会い、現地でさまざまな社会課題に触れ、自分が何をできるかを模索しながら地域に貢献するためのプロジェクトに取り組む。 例えば、過疎化が進む三重県の二木島では、生徒たちが自炊をしながら地域住民と交流し、オンラインミーティングや現地訪問を繰り返した。生徒たちは、さまざまな体験や出会いから「地域のあの人のために」「あの美しい海を守りたい」という動機を持ち、休校した学校での防災訓練や流通が難しい魚での防災食づくり、地域の子供たちへの歴史教育や食育など、具体的なプロジェクトを提案・実施した。 さらに、地域の人々からの依頼や要望が生まれるようになり、二木島ではコロナ禍で休止していたお祭りの復活を生徒がサポート。地元の協力を得て、地域の過去を振り返る写真展を開催した。このプロジェクトは、高校時代に「写真展を実施してほしい」と地域の人から相談された生徒が、学校の卒業後、大学生となってから自分のライフワークとして約束を果たしたものだ。 新渡戸文化学園は、複数回の参加が可能なスタディツアーの仕組みを整え、生徒が長期にわたって地域と関わることができるよう工夫している。同学園では「地域との持続的な関係を築きながら、社会に貢献する力を育む教育モデル」として、同プログラムを全国へ広げていく方針だという。 なお、同学園は2024年11月6日(水)にグッドデザインを受賞を記念した無料ウェビナーを実施する。同ウェビナーでは、今回の受賞内容やスタディツアーの最新情報などが語られる予定だ。 ウェビナーの詳細は、以下の通り。 ・名称 グッドデザイン賞2024 金賞受賞!!! スタディツアー~地域と生徒の未来創造の旅~ ・日時 11月6日(水)20時~21時 ・会場 オンライン開催(Zoom) ・募集締切 11月5日(火)16時 ・参加費 無料 ■登壇者 東京学芸大学 学長補佐/教育インキュベーション推進機構 准教授 一般社団法人旅する学校 理事 荻上健太郎氏 教育領域における多様な関係の共創、産官学連携の推進、新規事業やプラットフォーム開発などに取り組む。 杉並区社会教育委員や区立小中学校の学校運営協議会委員など、教育行政や現場に関わる活動も多数。2024年より一般社団法人旅する学校の理事。 新渡戸文化中学校・高等学校 副校長 一般社団法人旅する学校 代表 山藤旅聞氏 2004年より都立高校で生物の教員となり、オール実験の授業や生徒の「問い」だけですすめる授業、生徒が主体的・自立的に学びを進める「対話式・双方向性授業」などを実践。 現在は、教科と社会課題をつなげて、生徒自らが解決に向けて「行動する」ことを目指す授業スタイルを確立する。 新渡戸文化学園 理事長 平岩国泰氏 慶應義塾大学経済学部卒業。株式会社丸井入社。 長女の誕生をきっかけに、放課後NPOアフタースクールを起業し、21校のアフタースクールを開校。2019年新渡戸文化学園理事長就任。日本のモデルとなる未来の学校づくりに挑む。 2017年より渋谷区教育委員、2019年より渋谷区教育長職務代理。
こどもとIT,編集部