呪縛を解いたリバプールの戴冠は端緒に過ぎない【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
史上最速記録を塗り替えて最多勝点記録の更新も視野
大勝すれば大敗もする不安定で脆かったリバプールを変えたのが、2018年1月に加入したこのファン・ダイクだ。威厳と確信に満ちた振る舞いでチーム全体を引き締めた。(C) Getty Images
30年越しの悲願がようやく成就した。苦悶の日々に終止符を打つリーグ優勝を、リバプールはついに果たしたのだ。クロップ監督の下、歴史的な快進撃で呪縛を解いたこの戴冠の先に見通せるのは、さらなる栄光の日々だ。(文:オリバー・ケイ/訳:井川洋一 2020年7月16日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イングランド』を転載) ―――◆―――◆――― その瞬間は、夢に描いたものとは違った。 彼らの願いはこうだった。5月の爽やかな週末の午後、満員の観客で膨れ上がった“聖地”の熱狂のなか、待ちに待った悲願成就の瞬間を見届け、心ゆくまで歓喜に酔いしれる――。彼ら、リバプールのファンは、そんな戴冠シーンを思い描き、それは当然叶えられるものだと確信していた。 それが実際はこうだった。6月下旬の木曜日の夜、観客のいないスタンフォード・ブリッジで、リバプール
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