【神戸新聞杯】安定した先行力と堅実な末脚が生きる舞台 京大競馬研の本命はジューンテイク
中京芝2000mとの違いに注意
以下では、本レースが行われる中京芝2200mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 【神戸新聞杯2024 推奨馬】回収率100%超えなど好データ目白押し!前走タイムは歴代屈指 SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) まずは中京芝2200mのコース形態をみる。スタート地点は4コーナーポケットで、中京芝2000mのスタート地点より200m手前から走る。初角までの距離は約500m(Bコース使用時)で、途中に急な上り坂がある正面スタンド前の直線を目一杯走った後、コースを一周する。 1~2コーナーは緩やかな上りで向正面半ばまで坂が続き、その後3~4コーナーから最後の直線途中までは下り坂。4コーナーはスパイラルカーブで最後の直線は412.5m。ゴール手前340m地点から240m地点にかけては、中山競馬場芝コースに次いで傾斜がきつい高低差2.0mの急な上り坂。ラスト240mはほぼ平坦というコースだ。 まず注目すべきは初角までの距離が長いことだ。先行馬同士の先手争いは長引きやすく、初角に入るまでに急な上り坂があるとはいえ、序盤のペースは流れる。その後1、2コーナーから向正面半ばまでの緩やかな上り坂と、序盤の速い流れが影響して中盤のペースは緩みやすい。 上り坂を終えると今度は下り坂になるため、そこから後半は先行勢が一気に再加速する。このため、直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくく、また4コーナーはスパイラルカーブであり、スピードをつけて直線に進入すると外に振られやすい。膨れた先行勢のさらに外を回す後方勢は1着までは届きにくい。 小倉記念時に中京芝2000mのレースの質として「序盤、中盤で前に位置を取り、出来るだけラチ沿いを走ることができる器用な先行馬が恵まれやすい」と分析した。しかし、中京芝2200mは全く違うレースの質となる。 2000mに比べて初角までの距離が200m延びることで、序盤の先行負荷が格段に高くなる。ラチ沿いを走ることができても、地力のない先行馬は最後の急坂で脱落し、速い上がりを使える差し馬が台頭してくる。 もちろんコース形態上、膨れた先行勢のさらに外を回す後方勢は1着まで届きにくいため、差し馬なら馬群を捌き、前目の位置からロスなく末脚を伸ばすことが必須だ。ただ、内前有利になりやすい中京芝2000mで行われた小倉記念やローズSと異なるレースの質であることはしっかり押さえておきたい。 上がり5位以内馬の成績、中京芝2000mと2200mの比較,ⒸSPAIA <中京芝コース3勝クラス以上 上がり3F5位以内馬の成績(過去10年)> 2000m【58-50-49-221】 勝率15.3%、連対率28.6%、複勝率41.5%、単勝回収率142%、複勝回収率113% 芝2200m【19-18-16-55】 勝率17.6%、連対率34.3%、複勝率49.1%、単勝回収率144%、複勝回収率170% この傾向は数字にも表れている。中京芝コース3勝クラス以上のレースにおける上がり3F5位以内の馬の成績(過去10年)は、中京芝2000mで勝率15.3%、連対率28.6%、複勝率41.5%、単勝回収率142%、複勝回収率113%であるのに対し、中京芝2200mは勝率17.6%、連対率34.3%、複勝率49.1%、単勝回収率144%、複勝回収率170%。全ての項目で中京芝2200mの方が高くなっている。 先週のローズSはコース替わり初週の恩恵もあり、クイーンズウォークとレガレイラを除けば上がりの速くない先行勢が上位を独占した。これで世間に「中京=先行有利」のイメージを持たれそうだが、芝2200mは別物である。前目の位置につける先行力、そしてそれ以上に上がりの速さを重視して印を打つ。