家事がぐっと時短に&会話も楽しめる「コの字型キッチン」が快適!【実例4選】
「コの字型キッチン」のメリットとデメリット
まずは、「コの字型キッチン」の特徴から見ていきましょう。 3面にワークトップがある「コの字型キッチン」。いちばんのメリットは、ワークトップを広くとれるため、調理や盛り付けなどの作業をしやすいことです。コンロやシンクも配置しやすく、広いキッチンならシンクを2カ所に設けたり、家事コーナーをつくったり、自由にレイアウトできます。 【写真集】動線が短くて時短にも!ワークトップが広いコの字型キッチンの実例 また、ワークトップ下に収納スペースをたっぷりとれるのも魅力。作業時の移動は体の向きを変えればいいので、動線が短くて済みます。また、多方向に目が行き届くことから、家族やゲストとコミュニケーションをとりやすい面も。子供の勉強机を隣接させるプランも人気があります。 一方、デメリットとしては、広いスペースを確保する必要が。その分ダイニングやリビング側にしわ寄せがいくので、配分を考慮しなければなりません。また、広いコの字型キッチンは問題ありませんが、限られたスペースだと通路の出入り口が1カ所なので、複数人では入れ替わりで体がぶつかりやすくなることにも。1人でも、あまり狭すぎると動きづらく、収納からものを出し入れしにくくなるので、ショールームなどで試して十分な通路幅を検討しましょう。デッドスペースになりがちな2カ所の角の部分は、回転棚やワゴンを使うなど活用しやすい工夫が必要です。 では、実際に住み手の要望が盛り込まれたコの字型キッチンの事例をご紹介します。パントリー一体の家具調キッチン、ゲストをもてなすエントランスキッチン、自然や家族とつながるキッチン、機能美あふれるラグジュアリーなキッチン。どのお宅も家族の暮らしやインテリアにぴったりのベストプランが導き出されています。
箱型パントリーが控える家具のようなキッチン
都内にあるヴィンテージマンションのリノベーション。コの字型キッチンと一体化したパントリーの扉を開けると、冷蔵庫や洗濯機が置かれた空間が続いています。 「ホテルライクで温かみのある空間」という住み手のオーダーに、SUPPOSE DESIGN OFFICEの建築家・谷尻 誠さんと吉田 愛さんが練り上げたのは、“暮らしの背景となる”キッチン中心のプランでした。 約200㎡ある部屋の真ん中にコの字型キッチンとパントリーを配し、南側のリビングから北側の収納や個室まで回れる動線に。レンジフードは天井に埋め込み、キッチンの面材からパントリーの壁面、リビングの収納までホワイトオークで統一しています。収納の扉に取っ手を設けず、建築となじむミニマルなキッチンに仕上がりました。 調理や洗い物をしながら、視線の先にはベランダのグリーンや隣のワークスペースで勉強する子供たちの姿が。住み手はここに椅子を置いて、好きなことをしながら長い時間を過ごすそう。家族を見守る心地いい居場所となるキッチンを実現しています。