家事がぐっと時短に&会話も楽しめる「コの字型キッチン」が快適!【実例4選】
トンネル状の空間に設けた「ステーションキッチン」
高さ5mのスライド扉を開け放てば、吹き抜けのLDKに風が通り抜ける。自然が流れ込むような心地よさを覚えるこの住まいを設計したのは、建築家の桐山啓一さんです。東西に隣家が迫る旗竿状の敷地でしたが、桐山さんは南北に山の景色が抜けることに着目。「自然の空き地にドカンを置く」イメージで、敷地に沿って南北に開いたトンネル状の建物をつくりました。 内部は吹き抜けの大きなワンルームで、その四隅に立てた2階建ての個室のボリュームをブリッジでつなぐ構成。中央にあるLDKから“トンネル”の外に向かうには、南北共にインナーテラスからテラスへと、内外がグラデーション状につながります。 大きな空間のなか、コの字型をしたキッチンは多方向に開かれた場所。天窓から回り込む光を浴びながら清々しい気持ちで調理ができ、ブリッジを行き来する子供たちとの会話も楽しめます。コミュニケーションの要となるようなキッチンの成功例です。
ゲストを迎えるエントランスに設けた「もてなしキッチン」
玄関ドアを開けると、ハイスツールがカウンターを囲む。この端正なキッチンは、建築家の谷口幸平さんによるマンションリノベーションで得られたもの。子供が産まれ、住まいを手狭に感じた住み手は、隣の住戸を購入し、合体させる改修を計画しました。 「ゲストを招きたいけれど、きれいな状態を保つのは難しい」と心配する住み手に谷口さんが提案したのは、リビングがエントランスからほぼ見えない配置を活用したこのプラン。玄関から公私の動線を分けた上で、柱と梁を覆った門型フレームにより奥行きを出すデザインにしています。 その“門”を踏襲したコの字形キッチンにはシンクが2つあり、囲まれた空間が広いので複数人でも同時に調理や片付けを行うことができます。ケータリングで3人のスタッフが同時にストレスなく作業できる広さです。 木のルーバーで覆われた壁面に冷凍冷蔵庫やパントリーを備えており、スムーズに食材や食器の取り出しが可能。住まう人、ゲストが共に気をつかわず、優雅な気分で食事を楽しめるおしゃれな“もてなしキッチン”を実現しています。