J1昇格PO準決勝。名門・東京ヴェルディの復活を加速させる5つの「P」とは
そして、手応えを深めてきた7月に入り、ロティーナ監督の強い要望を受けてスペイン人のコンディショニングコーチ、トニ・ヒル・プエルト氏(37)が就任した。疲労が蓄積されてくるシーズン後半へ向けての、理想的な補強だったと竹本GMは振り返る。 「夏から秋へ向けての選手のパワーアップ、コンディションの向上、選手個々でどのようなトレーニングが必要か、何を食べればいいかという点にまで手をつけた。終盤になっても、肉離れなど筋肉系のけがで戦列を離れる選手がほとんどいませんからね」 準決勝で対戦するアビスパとは、リーグ戦では1分け1敗の星を残している。4月はブラジル人の点取り屋ウェリントン(29)の一発に沈み、ウェリントンが欠場した10月は0‐0で引き分けた。 得点ランキング3位タイの19ゴールをあげた188センチ、90キロの巨漢フォワードを封じるか否かが26日の大一番の行方も左右する。それだけに、守備陣を含めた全員が万全のコンディションで臨めるメリットは大きい。 夏場にはイタリアの至宝、フランチェスコ・トッティの獲得へ動いたことで注目を集めたヴェルディだが、同時進行で地道な改革が進められていた。くしくもヘッドコーチとコンディショニングコーチの頭文字も『P』。3つどころか『5つのP』に支えられながら、10年ぶりのJ1昇格をかけた戦いに臨む。 (文責・藤江直人/スポーツライター)