正月向け新酒初搾り 本州最南端の蔵元、和歌山県新宮
本州最南端の蔵元として知られる和歌山県新宮市船町3丁目の尾﨑酒造で20日、正月に向けた新酒の初搾りがあった。軒先には新酒ができたことを知らせる、新しい「杉玉」もつるされた。 【新宮紀宝道路が開通へ 12月7日、和歌山と三重の県境の記事はこちら】 尾﨑酒造では今年10月下旬、杜氏(とうじ)の小林武司さん(50)ら計5人が新米や酒蔵の井戸から湧く熊野川の伏流水を使って仕込みをスタート。この日から、もろみを搾り器に入れ、酒と酒かすに分離する作業を始めた。 新酒を試飲した小林さんは「今年は酒ができるのかと思うぐらい暑くて心配だったが、すっきりとしてうまみのあるおいしい酒ができてほっとした」と笑顔を見せた。 今回搾った酒は、正月に向けた年末限定の「太平洋しぼりたて生原酒」(1800ミリリットル)として12月中旬から酒販店や同社で販売予定。価格は3300円で、3千本限定。 尾﨑酒造は明治初期から酒造りを始めたとされる。長年、創業家の尾﨑征朗さん(80)が代表取締役を務めていたが、後継者を探す中、木から酒を造りたいと考えている大阪市の「村上木材」(佐原謙次社長)に全株式を譲渡。今年3月から、佐原さん(55)が代表取締役として尾﨑酒造の7代目に就任し、尾﨑さんは相談役となった。 問い合わせは尾﨑酒造(0735・22・2105)へ。
紀伊民報