ビル・ゲイツが語る、AIが開く「4つの未来」。人間という存在意識を揺さぶるかもしれない
ビル・ゲイツは、人工知能(AI)に対して間違いなく非常に前向きな見方をしています。 Netflixドキュメンタリーシリーズ『ビル・ゲイツが語る未来(What's Next? The Future With Bill Gates)』の第1話では、ゲイツは視聴者に対し、AIが仕事を奪ったり、偽情報を広めたりするだけでなく、命を救い、教育を向上させ、さらには気候変動を緩和する可能性にも目を向けるよう促しています。 Microsoftの共同創業者であるゲイツはこう言います。 コンピューターが私たちと自然な言語で話すことができるようになることは、常に究極の目標でした。だから、2022年にAIが覚醒したことは本当に大きな驚きでした。 ゲイツとエグゼクティブプロデューサーのモーガン・ネヴィルは、AIには欠点があることを認めつつも、AIが世界をより良くする具体的な方法を探求しています。そして、AIの利点のなかには、十分に語られていなことも指摘しています。 『ビル・ゲイツが語る未来(What's Next? The Future With Bill Gates)』シリーズは、AIが未来、さらには現代にもたらす現実的な脅威について、深く掘り下げているわけではありませんが、AIが単に利益を生み出すものではなく、人類にとっても有益となる可能性があることを説明しています。 ここでは、今後数年間で、AIがどのように人々の生活を変えるか、そしてその方法について、ゲイツが考えるトピックを紹介します。
1. 医療を改善する
「AIに対する最大の期待は、AIを活用して健康を向上しよう、ということです」とゲイツは言います。 AIを活用して医療イノベーションを加速させることで、命を救うことができるかもしれません。 このシリーズの中で、腫瘍医が、Sybilという肺がんの可能性のある部位を特定できるAIツールが人間の医師よりも最大6年早く特定することを説明しています。肺がんは非常に一般的ですが、発見が遅れることが多いため、もっとも致命的ながんです。 しかし、Sybilが開発されたマサチューセッツ工科大学の研究者らは、早期発見ができれば、5年生存率は10%から70%に上昇すると述べています。 早期のがん発見以外にも、AIはもっと日常的な問題を解決できるとゲイツは言います。 莫大な費用を医療に費やす豊かな国でさえ、医師が不足しています。貧しい国に行けば、大半の人々は一生のうちに一度も医師に会えないことが多いのです。 この問題を念頭に置いて、Sun Microsystemsの共同創業者でありベンチャーキャピタリストのビノッド・コースラは、ゲイツとの会議で「今後数年以内に、アプリをかかりつけ医師として認可させるのが私の夢です」と語ります。 これに対し、ゲイツも「その方法を考えるべきです」と同意しています。