「わんこそば全日本大会」とはいったい? 最高記録は…5分で競い合う「食士」たち
制限時間5分で競い合う「食士」たち
大会関係者によると、わんこそばの歴史は約400年前にさかのぼり、南部家第27代利直公が江戸に向かう際、花巻に立ち寄って名産のそばを何杯もお代わりしたことにちなむ。 花巻の名物にしようと第1回大会が1957年、そば店の2階で開催された。 相撲をまねて行司をつけ、参加者を力士ならぬ「食士」と呼ぶ。 当初、制限時間は15分だったが、第11回から5分に短縮され、現在は小学生と団体の部は3分、個人の部は5分で、その間に何杯そばを食べられるかが競われる。 これまでの最高記録は第58回の258杯。 第44、45、49回大会では女性横綱が誕生し、それぞれ187杯、222杯、225杯食べた。 たくさん食べるコツは、(1)かまずに飲む(2)リズム良く食べる(3)つゆは飲まない(4)必要以上におわんを動かさない、ことらしい。 出場した地元の小学5年生は「おそばは大好きだけれど、25杯でおなかがいっぱいになった。でも、おいしかったし、楽しかった」と嬉しそう。 どんなにそばがおいしいとしても、地域の食文化を愛しているとしても、それを競技にして全国大会を開き、客席から太鼓やメガホンで大声援を送る……。 私にはまだまだ「岩手」の勉強が足りないようだ。 (2024年2月取材) <三浦英之:2000年に朝日新聞に入社後、宮城・南三陸駐在や福島・南相馬支局員として東日本大震災の取材を続ける。書籍『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で小学館ノンフィクション大賞、『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』で山本美香記念国際ジャーナリスト賞と新潮ドキュメント賞を受賞。withnewsの連載「帰れない村(https://withnews.jp/articles/series/90/1)」 では2021 LINEジャーナリズム賞を受賞した>