U-19日本代表唯一の高体連所属プレーヤーがU-20アジアカップ予選で躍動!日大藤沢DF布施克真が1年前の悔しさを晴らす鮮やかなアシスト
今から11ヶ月前、DF布施克真(日大藤沢)はインドネシアの地にいた。 直前合宿などで高い評価を受け、U-17ワールドカップのメンバーに招集。当時U-17日本代表を率いていた森山佳郎監督も中盤と両SBに対応できる汎用性を買っており、土壇場で序列をひっくり返して日の丸を背負うことになった。だが、4試合で出場機会は“0”。フィールドープレーヤーで唯一ピッチに立てず、悔しい想いを味わった。その雪辱を晴らすべく、再び国際舞台に布施が臨んでいる。 【フォトギャラリー】AFC U20アジアカップ中国2025予選 U-19日本代表練習風景 9月25日に幕を開けたU-20アジアカップ予選。来年5月に開催されるU-20ワールドカップの1次予選を兼ねており、日本にとって負けは許されない。4チーム総当たり方式で行われる今予選は1位になればアジアカップ出場が決まり、2位の場合は各組2位の上位5チームに入れば次のステージに進める。そうした状況下で布施はU-18日本代表の一員として8月中旬に行われたSBSカップで評価を上げ、今予選では唯一の高体連所属選手としてメンバーに選出された。 当初は左SBでの起用を見込まれていたが、右SBの桒原陸人(明治大)が離脱。代わりに招集された池田春汰(筑波大)が左SBを本職とするため、布施が右SBに回る形になった。 イレギュラーな状況にも動じない。それが布施の良さでもある。チームではボランチを主戦場としており、いろんなポジションができる点は自身の強み。「与えられたポジションの中ですぐに適応して、自分のプレーやチームに必要なプレーができるのが強み」と胸を張り、今予選も与えられた場所での活躍を誓っていた。 25日に行われたトルクメニスタンとの初戦はベンチスタートだったが、布施は1-0で迎えた後半開始からピッチに送り込まれる。右SBに配置されると、アグレッシブなプレーで攻撃に関与。すると、投入直後の49分に高精度のクロスを右サイドから入れ、FW神田奏真(川崎)のゴールをお膳立てした。 「狙うところはだいたい決まっていた。中の枚数を見て、ここだなというのはあったので、そこにうまく入れられたので良かったです」 以降も強度の高いプレーと正確なキックで貢献。2-0で勝利したチームにおいて、布施は重要な役割を果たした。 このトルクメニスタン戦が代表での公式戦デビュー。昨秋のワールドカップはピッチに立てなかっただけに、特別な想いもあった。 「緊張よりはやってやるぞという気持ちが大きかった。今までいろんな代表を経験して、U-17ワールドカップ(でメンバーに入りながらも試合)に出られていない。こうやってアジアの一次予選ですけど、出場できてチームの勝利に貢献できたというのは自分の中でもプラスだし、成長できるかなと思います」 ようやく踏み出した代表での第一歩。中1日で迎える27日のミャンマー戦でも結果を残すべく、ピッチを駆け回る。 (文・写真=松尾祐希)