大手求人サイトでも“闇バイト”募集の衝撃…求人掲載した企業の責任は問われるのか?
求人サイト各社の対策は?
各社は現在どのような闇バイト対策を行っているのか。編集部は人材業界最大手のリクルートが運営する「タウンワーク」と「Indeed」、スポットワーク「タイミー」を取材。それぞれ以下のような回答を得た。 ●タウンワーク 求人を掲載する企業に対して「企業審査」を行い、その信頼性を確認しています。また、求人内容については「求人審査」を実施し、法令に基づく要件を満たしているかどうかを確認するだけでなく、弊社が定めた独自の審査基準が遵守されているかもチェックしています。さらに、これらの審査基準は定期的に見直し、改善を行っております。 ●Indeed 不適切な求人情報が掲載されることのないよう、求人情報を適正に保つためのさまざまな取り組みを実施しております。Indeedへ求人情報の掲載を希望する「雇用主(企業等)」および「求人情報」について、掲載前に、雇用主審査(求人掲載元の審査)や求人審査をはじめとして多角的な取り組みを行い、不適切な求人の排除に取り組んでおります。 ●タイミー 必要書類の提出や反社チェックなど「1.ご利用いただく事業者の審査」、過去に不正利用で利用停止になった企業データと一致しないかなど「2.求人掲載前の確認」および全件目視を組み合わせてチェックする「3.(求職者の)稼働前までの求人確認」を実施しております。 ※タイミーは編集部による取材後の12月6日に記者会見を開き、公開前にすべての求人内容をチェックを行うなどの新たな闇バイト対策を発表した。 各社でこのような対策が行われていてもなお、求人サイト上に闇バイトが疑われる求人が掲載されてしまうのはなぜか。 大川弁護士は、「闇バイトのグループは法人をたくさん持っていることが多く、代表もさまざまな人の名前を使っています。求人審査のために提出する資料などでは、犯罪前科がない法人や名前を使い、ホワイトな事業者を装って申請しているのではないでしょうか」と指摘する。 その上で、応募してきた人に対してSNSや秘匿性の高い通信アプリなど、求人サイトが把握できない外部に誘導する手口だといい、闇バイトに巻き込まれないためには「求職者自身が注意するほかない」と厳しい現状を語る。