「どうしても残しておかないといけない技術」蚕の飼育から染織物の製造まで一貫して手作業で 守り受け継がれる技術と思い
■絹糸の光沢に藍染めの色合いが重なって、より鮮やかに見える 今回、小石丸を使った伝統的な藍染めを見せてもらいました。 繭からできた生糸を、藍液につけてなじませることで染色します。 (綾の手紬染織工房 二上拓真さん) 「液そのものは青色じゃないので、引き上げて空気に触れたときに、色が変わるという、原理的には酸化と還元の原理ですね」 繰り返し行うと藍染めらしい深みのある色合いに。 (綾の手紬染織工房 二上拓真さん) 「この絹糸の光沢に藍染めの色合いが重なって、より鮮やかに見えるというのは、ここで絹の藍染めをする、ひとつの魅力なんじゃないかなと思います」 ■自分で作った糸を自分で織るというのは、やっぱりいいもんです 色を染めたら、手織りで製織します。 (綾の手紬染織工房 秋山眞和さん) 「(手織りで)空気をはらむような布になるほうが、肌ざわりのいい織物になりますね。立体的な間隔になりますね、(機械織りの)つんとした平面的なものよりも」 いくつもの工程を経て、機械では出すことができない色調の美しさや着心地の良さが生まれていきます。 (綾の手紬染織工房 秋山眞和さん) 「自分で作った糸を自分で織るというのは、やっぱりいいもんですよ。自分で作った米をおにぎりにして食べるようなものかもしれませんけど」 研究と努力を続けながら技術を守ってきた秋山さん。 作り上げた染織物は伝統工芸品として多くの人に愛されています。 (綾の手紬染織工房 秋山眞和さん) 「一番感激したのは、街中で、私の着物を着て歩いている方に出会ったときですね。何度かありました。それはやっぱり近寄って声をかけたくなりますね」 ■作り手の気持ちが作ったものに伝わる 秋山さんはこれから若い世代に技術を継承しつつ、新たな価値観も生み出してほしいと話します。 (綾の手紬染織工房 秋山眞和さん) 「いわゆる伝統でもあるけども、伝統のままではいけないし、これから、どういう風に世の中に役に立つかという風に変えていってもいいと思うんですよ。作り手の気持ちが作ったものに伝わるようなものを作ってほしいと思っております」
綾町で今月22日から3日間開かれる「綾工芸まつり」では、秋山さんの工房の染織物をはじめとする町内外の工房の工芸品が展示・販売されるということです。 ※MRTテレビ「Check!」11月13日(水)放送分から
宮崎放送