評価すべき日大第三者委の中間報告も「監督公募を知らされていなかった」
関東学連も、この選考の仕方に出来レースではないか?との疑念を持ち、先日の会見でも「誰がどう選ばれたかを検証していく」という異例の宣言を行っていた。 一部では、元京大監督の名将、水野弥一氏が応募したことが報じられたが、勝丸委員長も、そのことに触れて「お会いしたことはないが、有名な方ですので、日大フェニックスも捨てたもんじゃないなと、ちょっとびっくりしている」と語り、次期監督の条件を3項目にわたって示した。 (1)アメフットの反則行為はいけないと信念を持っている(2)教育的理念を持って指導にあたれる(3)平素から選手とのコミュニケーションをとれ信頼される いずれも内田前監督と対極にある監督像だ。 だが、すでに応募のあった69人の候補者の中には外国人も7人いて、その中には口封じを行った理事が推薦する人物が含まれているという。 勝丸氏は、選考委員会に透明性を求めたが、今なお、日大側は、その選考プロセスについて、何も明らかにしていない。そもそも、順序が逆で、記者会見を開き、選考委員の顔ぶれと選考方法を明示した上で公募を実施しなければならなかっただろう。すでに公募を終えた時点で、第三者委員会の中間報告が、その選考に大きな影響力を及ぼすことができるのだろうか。しかも、新しい監督、コーチを含めた改善策を関東学連に提出する期限は、7月17日に迫っている。 不透明な選考方法で疑惑の残る監督が選ばれた場合、関東学連も、他大学監督も認めないだろう、との見通しも、この日の会見で語られたが、日大の真の再建のために最も必要な方策、人事が何かを第三者委員会は見誤らないほうがいい。そして、みかけだけはいい監督公募という“裏技”を第三者委員会に報告しなかった日大自身が、再建への本気度を明確に示すべきである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)