「クルマづくり」と「システム最適化」を分業して自動運転バスの普及を目指す! アイサンテクノロジーが「Minibus 2.0」の販売を開始
自動運転のパイオニアと測量システムの雄がタッグを組む
現在、全国各地で社会実験が進められている自動運転バス。これに新たなモデルが登場する。 【画像】ヒョンデが2024年末の発売を目指す中型EVバス「エレクシティタウン」が富士スピードウェイを走った そのモデルは、自動運転の一般化に向けたオープンソースソフトウェアを開発しているティアフォーが開発を行った。一方で販売は、測量に関わるシステムの技術開発を祖業とし、現在は高精度な地理空間情報プラットフォームを用いて、モビリティ分野にも進出を図っているアイサンテクノロジーが担う。なお、両社はともに愛知県名古屋市に本社を構える企業だ。 「Minibus 2.0」と呼ばれる新型の自動運転EVバスは、日本政府が定める自動運転レベル4の基準に準拠している。従来モデルの「Minibus1.0」よりも安全性を向上させるための冗長システムをさらに強化しているという。 開発元のティアフォーは、先に述べた通りオープンソース型の自動運転技術開発を行っている。2023年には「ファンファーレ」という自動運転機能に対応した電気自動車(EV)の生産を加速させる新たなソリューションの提供を開始している。 このソリューションは、無人自動運転移動サービスの事業化を各地で進めていくにあたって、一般公道での走行が可能な道路運送車両法の保安基準に準じた、レベル4水準の自動運転EVの調達が難しいことが開発背景に挙げられる。 そこで、ティアフォーでは、完成車メーカーから提供される車両、つまりは保安基準に適合した車体に対し、ステアリングやブレーキ等の駆動系の電動化モジュールと、レベル4水準の自動運転機能を実現するアーキテクチャを開発することで対処している。加えて、納入先ごとに異なる自動運転機能の定義に対応していく総合的なソリューションが「ファンファーレ」だという。 一方の販売元であるアイサンテクノロジーは、ファンファーレで出来上がった自動運転EVを、納入先ごとの運行形態や事情に合わせてシステムの最適化を行うほか、納入時の運行研修や納入後の保守メンテナンスサービスを提供していくのが役割となる。 つまり、「大元となる自動運転EVバスはティアフォーで作りました。あとは導入する現場ごとの要望に合わせて、アイサンテクノロジーが最終仕様に仕上げて納車します」というのが両社の立ち位置のようだ。 「Minibus 2.0」は、先進的なセンサー(長距離・短距離LiDAR、物体検出カメラ、信号機検知カメラ、レーダー、慣性計測装置、全地球航法衛星システム)を搭載し、ティアフォーの電子制御ユニットや車両制御ユニットによってサポートされている。これにより、車両とシームレスに統合し、自動運転性能をさらに向上させることが可能だという。 同モデルは、日本各地での展開を目指しており、2024年末を目途に納品を開始する予定。アイサンテクノロジーは今後、地域ごとの企業主導の導入拡大に加えて、海外展開も視野に入れて同モデルの生産と推進を実施し、自動運転バスへの高まる需要に応えていく予定だという。
TET 編集部