サントリーが世界の「水リスク」を可視化、プラットフォームを無料開発へ
記事のポイント①サントリーや東大などは世界の「水リスク」を可視化するツールを開発②必要な水の量や供給量を把握し、不足する用途や量を推測することができる③このプラットフォームは世界初で、今夏から無料で公開している
サントリーや東大などは世界初の水不足リスクを可視化するツールを開発した。社会に必要な水の量や供給量を把握して、不足する用途やその量を推測することができる。このツールを活用することで水不足が発生しうる地域を特定して対策することが可能になる。今夏から無料で公開している(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
このツールは「Water Security Compass」で、東京大学、サントリー、日本工営の3社が産学連携で開発した。今夏にβ版を公開し、2025年に正式版に移行する予定だ。 「Water Security Compass」では東大などが構築した地球全体の水循環をシミュレーションするモデルを活用する。季節の変化やダムなどのインフラによる水量への影響をシミュレーションに織り込み、世界各地で必要な水の量や供給量を把握。水資源がどの用途でどの程度不足するのかを推測し可視化することができる。 世界の多くの企業や組織が気候変動にともなう水リスクへの対策を行っており、今回のツールは対策の精度向上やグローバルな水資源保全活動に寄与する。中長期的にあは、得られた知見などから国際的な水ルールの形成にも貢献していきたい考えだ。