アジア開発銀、次期総裁に「令和のミスター円」神田前財務官を選出
(ブルームバーグ): アジア開発銀行(ADB)は28日、第11代総裁に前財務官の神田真人氏を選出したと発表した。来年2月24日に着任する予定。任期は5年間。
神田氏は今年7月末まで、3年にわたって財務省の国際部門を率いてきた。在任中の2022年9月には歴史的な円安を受けて24年ぶりとなる円買い介入の陣頭指揮を執り、「令和のミスター円」とも呼ばれた。財務官退任後は、金融と国際経済の分野で首相に助言する内閣官房参与に就任した。
ADBはフィリピンのマニラに本部を置く国際開発金融機関。1966年の設立に中心的な役割を果たし、初代総裁に就いた元財務官の渡辺武氏以降、歴代総裁は全て日本人が務めてきた。現総裁の浅川雅嗣氏は来年2月に辞任することを9月に表明し、日本政府は後任に神田氏を擁立していた。
立候補者は神田氏のみで、複数候補による選挙にはならなかった。神田氏への信任投票は10月28日から11月27日まで行われた。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Takashi Umekawa