【RIZIN】左腕骨折から2年2カ月ぶり復帰の浜崎朱加が山本美憂とボクシングトレ「技術面で2年前より全然、増えた」(浜崎)×「心配なくガッツリ行ける」、競技復帰は「いつも思っている」(山本)
2024年11月17日(日)、愛知・ポートメッセなごや第1展示館で開催される『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』にて、RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)5分3Rで、シン・ユリ(team GENIUS)と対戦する浜崎朱加(AACC)が10月30日、公開練習。かつて対戦し、現在はMMAを引退した山本美憂(YSA)をパートナーに、2年カ月ぶりとなる復帰戦に向けてボクシングのマススパーリングを見せた。 【写真】浜崎と山本。両者の合体に尽力した元RIZINのN野広報の姿も 浜崎は、初代・第3代RIZIN女子スーパーアトム級王者。元Invicta FC世界アトム級王者。元JEWELSストロー級王者。 2018年大みそかの『RIZIN.14』の初代RIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦で、浅倉カンナを腕十字に極めてRIZIN王座を獲得したが、2019年大みそかにハム・ソヒにスプリット判定負けで王座陥落。2021年3月にハム・ソヒが返上した王座を巡り、浅倉と再戦。スプリット判定で王座についた。 2022年4月の『RIZIN.35』で伊澤星花の挑戦を受け、判定負けで王座陥落。2022年7月『RIZIN.37』でジェシカ・アギラーに判定勝ちで再起を飾るも、2022年9月の『RIZIN.38』でパク・シウの右ミドルで左腕を骨折。判定負けして以来、約2年2カ月ぶりの復帰戦となる。42歳。 対するシン・ユリは、第2代ROAD FC女子アトム級王者。キックボクシングをベースに、2019年12月の『ROAD FC 57』でハム・ソヒが返上したアトム級のベルトを賭けてパク・ジョンウンと対戦し、1R TKO負けを喫したが、2021年9月の再戦で判定勝ちで王座獲得。 その後ベルトを返上し、引退していたが, 3年の空白を経て24年3月『RIZIN LANDMARK 9』でRIZIN初参戦。RENAと判定まで持ち込むも敗れた。今回、RIZIN2戦目にして元RIZIN王者・浜崎朱加と対戦するチャンスを掴んだ。30歳。 ◆左腕の骨折は「もう治りました」(浜崎) 山本美憂との公開練習後、「試合の実感が沸いてきました、今日。いままではふわふわしていたんですが、こうして公開練習すると“もうすぐ試合だな”と思うようになりました」と笑顔を見せた浜崎朱加。 「骨折箇所ももう万全で、ほかに大きな怪我もなく順調に練習できています」と11月17日の試合に向けて万全であることを語った。 2年前のパク・シウ戦で、2R開始早々に、「右ミドルを変な形で受けてしまって、すぐに折れたのが分かって。そのまま3R戦いましたが、左尺骨骨の粉砕骨折で、手術してプレートを入れたんですけど、復帰するはずだった試合(2月のクレア・ロペス戦)の2週間前に、またプレートの際が綺麗に折れてしまって。また同じ尺骨で手術して」と、試合間隔が空いた理由を明かす。 「もう完治していますが、怪我よりもメンタルというか、試合がこんなに空いたのが久しぶりなので不安もあるんですけど、いまはもう楽しみが大きくて、早く試合をしたいなという気持ちが全然大きいです」と、復帰戦に向けた気持ちも出来ているという。 山本美憂とは、「美憂さんが米国長期滞在から帰ってきて、今月頭から練習をお願いするようになりました」と、かつての対戦相手で、現在はMMAを引退した盟友との合流を語る。 「これまでボクシングスパーはAACC(ゴールドジム)でしかやってこなくて、美憂さんとは主にボクシングスパーをやっていて、やっぱり上手いのと、練習の仕方なども初めてのことが多くて、すごく勉強になっています。技術面では2年前より全然、知識も増えてますし、覚えたものも増えています」と、AACCに加え、新たなパートを外部に求めることで気付きが多いという。 浜崎とスパーリングをする山本は、沖縄時代からボクシング歴が長く、現在はボクシングのみに特化したトレーニングを多く行っている。両者にとって、貴重な女子選手との新たな練習は刺激になっている。 山本は「毎回、会えるのが嬉しくて。すごく楽しくていい感じです。今回のように2人で一緒にやるのは初めてで新鮮です。朱加はほんとうに試合が近づくにつれて、気持ちも出来てきて、動きもすぐに対応する。心配なくガッツリ行けると思います。私もすごく楽しみになってきています。名古屋でひっそり見ようかと思っています(笑)」と、名古屋大会にも駆け付けるという。 MMAは昨年大晦日の伊澤星花戦で引退した山本だが「また試合を?」と問われると、「それはもう……いつも思ってますね。引退しても変わらなくて」と、競技者としての復帰も視野に入れているようだ。 そんななか、出稽古に足を運ぶ浜崎は、今回のシン・ユリとの対戦を、「復帰戦の相手としては強敵だと思っていますし、スタミナもあるし、それ以上に根性もある。気持ちの面でも負けないようにしっかり、コンディションと同時に作っていきたいなと思います」と、強いハートで圧力をかけてくるタフな相手との試合になると認識。 警戒すべき点として、「背が高く長いリーチと懐が深いところ。前蹴りで距離を獲って来る。あと、ヒジが面倒くさくて、やっぱりヒジが一番警戒しないといけない。切れると終わってしまうので」と、リーチを活かした打撃とヒジ打ちをあげた。 しかし、その点も「美憂さんがビデオを研究し、どう打撃で立ち会うか、どう組むかも対策を練ってくれていて、問題ないと思っています」と自信を見せた。 近年のRIZINでは、女子のMMA戦が減っている傾向にあるが、浜崎は「あまり意識してはいなかったのですが、先日、こんなに少なくなっていることを知ってびっくりして、もう1回、女子の試合を盛り上げたいなという気持ちもあります。2年も離れていたので私のことを知らないファンの方もいると思うので、女子でもインパクトを残す、こういう試合ができるんだぞっていうのを魅せられたらと思います」と意気込む。 2008年のプロMMAデビューから16年。世代が異なる対戦相手との試合が多くなっているが、「格闘技への向き合い方は変わっていませんが、現役選手のなかでは年下ばかりになっているので、しっかり“若い世代に残せる試合をしたい”と思います」と、観客と、新世代の記憶に残るような試合をしたいとした。 また、同大会では、「同郷の摩嶋(一整)選手の試合(ヴガール・ケラモフ戦)が気になりますね、頑張ってほしいです。それに秋元(強真)選手も」と、同じ山口県で柔道出身の摩嶋と、JTTで面識がある秋元にもエールを送っていた。