「とても先進国とは言えない」日本、世界最底辺の男女格差 世界125位…特に深刻な政治分野、岸田政権の「女性活躍」は本気?
教育分野が前年1位から47位と下落したのは、高等教育(日本では大学)の就学率が今年は反映されたため。先進国では女子の方が一般的に大学進学率が高いが、日本ではまだ男子の方が高く、地域格差も大きい。学びの平等を実現することで女性リーダーが育ち、政治や経済の変革につながる。日本の難関大の女性比率は3割にとどまっており、対策が急がれる。 ジェンダー平等に向けた取り組みが成果につながるには10~20年ほどかかるものもある。道のりは遠いが、今変わらないと、この先も世界に取り残されてしまう。あらゆる分野において総動員で是正へ取り組むしかない。 今春の統一地方選では女性が躍進し、明るい兆しもある。例えば女性首長が誕生することはロールモデルを増やす。地域の女性ネットワークが女性議員増加に貢献している。地方からの変革を期待したい。 今、日本の政治は停滞しており、閉塞感が漂っている。未来に希望を持てない若者も多いだろう。だが政治には他の分野を動かすダイナミズムがある。他国では、政治が多様性を持つことでジェンダー平等を支える法基盤が発展し、経済や社会をより早く変えることにつながった。有権者も「どうせ変わらない」と諦めず、投票によって社会を良い方向に進めていきたい。
(取材・執筆は金子美保、兼次亜衣子、川南有希、石川瑞穂、竹生瞳が担当しました)