「とても先進国とは言えない」日本、世界最底辺の男女格差 世界125位…特に深刻な政治分野、岸田政権の「女性活躍」は本気?
▽選挙に挑戦しやすい仕組みが必要 治部さんが指摘する通り、女性議員の進出を阻む要因となっているのが「現職優先」と「世襲」だ。現職議員は男性が大半を占めており、新人は世襲割合が多い。 野党をみても、女性は立憲民主党が22%、日本維新の会15%と、自民党を上回るものの高水準とはとても言えない。 立憲民主党は国政選挙に初挑戦する女性に100万円を貸し付ける制度などで人材確保を図るが、それでも、立候補そのもののハードルが高いとの見方も根強い。 立憲民主党の安住淳国対委員長は「選挙で落ちるリスクを考えたら、出たいと思っても出られない」と語る。そして、落選しても元の職場に復職できる制度のように、選挙に挑戦しやすい仕組み作りが必要だとの考えを示す。 自民党のある閣僚経験者は、国会審議や地元回りなど議員活動の労力を挙げ、課題の大きさを指摘している。「私生活の大半を犠牲にしなければ務まらないのが政治家の実情だ」
▽女性の視点欠けた政策に懸念 性別に大きな偏りのある議会は民主主義の在り方として問われる。そして、女性や子どもの視点が入らない、ゆがんだ政策決定になりかねないとの懸念も出ている。 女性議員や候補者らを支援する「Stand by Women(スタンド・バイ・ウィメン)」代表の浜田真里さんはこう話す。「同質性が高い男性中心の議会では、性暴力や緊急避妊薬といった女性に関わる社会問題のほか、少数派の声が拾われにくい」 若者の政治参加を促す団体「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、政府が決定した少子化対策方針を例に挙げ、当事者意識のないピントのずれた内容で、若い世代の漠然とした将来不安が解消されないと語る。その上で訴える。「声を上げても変わらない、日本を出て行きたいと思う人もいる。今、(政治分野の男女格差を)改善しないと次世代に影響を与えることを自覚してほしい」 ▽投資判断は企業の多様性を重視