「とても先進国とは言えない」日本、世界最底辺の男女格差 世界125位…特に深刻な政治分野、岸田政権の「女性活躍」は本気?
日本の教育分野は今回、ほぼ平等で47位だったが、それでも大学など高等教育への進学率を取りだしてみると105位。格差は小さくない。 山形大の河野銀子教授(教育社会学)は科学技術や経済などの分野で女子学生が少ない現状を問題視している。「専攻は職業選択につながり、結果的に政治や経済の男女格差に影響する」 大学進学率は地域差も大きい。都市部では男女とも進学率が高い傾向があるが、大半の地域で女子は男子より低い。その一因として、大学が都市圏に偏っていることや「女の子は地元にとどまってほしい」という親の意識などがある。「地域ごとの格差を解決することで国全体の底上げを進めることも重要だ」 6月末にはG7男女共同参画・女性活躍担当相会合が開催され、日本は議長国として共同声明をとりまとめた。今後日本もより一層の取り組みが求められそうだ。 ▽あらゆる分野で総動員で是正の取り組みを 最後に、ジェンダーと政治に詳しい上智大の三浦まり教授(政治学)に、今回の「ジェンダー・ギャップ指数」について聞いた。
× × × 日本の男女平等度を示す指数(1に近いほど平等を示す)は0・65前後と横ばいのまま。今回、146カ国中125位と過去最低になった。「他国が改善への努力をする中、日本だけが変わっていない」と分かる象徴的な順位だ。人口の半分に当たる女性が、能力を発揮する機会を奪われ続けているのが、この国の現状と言える。 特に政治分野の低迷は深刻だ。社会が多様化する中、旧態依然とした中高年男性中心の政治とのミスマッチが起きている。先進国の内閣は男女半々が当たり前になりつつあるのに、日本の女性閣僚は2人だけ。背景には衆院の女性議員がわずか10%、中でも政権与党の自民党は8%という現状があり、母数を増やさなければならない。現職や当選回数を重視するやり方では政界に多様性が生まれない。候補者の一定数を女性に充てる「クオータ制」の導入や、女性候補者が少ない政党は政党助成金の額を減らすなど、制度面の改革も必要だ。