マカオの2024年6月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前年マイナス、翌月は良化見通し
マカオ政府統計・センサス局は8月19日、今年(2024年)6月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。マカオのツーリズム市場において例年6月は前月の労働節ホリデーと翌月以降の夏休みシーズンの狭間でローシーズンにあたる。 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前月から2.1%減。ジャンル別ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店が6.4%減だった一方、西洋料理レストランは11.5%増。また、小売業者の売上額は7.8%減。ジャンル別では時計・ジュエリーと、コスメティック・衛生用品、成人ファッションが16.1%、13.3%、12.4%のそれぞれ減。自動車は21.3%増。 前年同月と比較した売上額については、飲食業で10.4%減、小売業についても28.7%減。飲食業では日韓レストランとチャイニーズスタイルの酒楼・飯店がそれぞれ17.1%、15.9%減。小売業では時計・ジュエリー、成人ファッション、コスメティック・衛生用品がそれぞれ40.3%、33.8%、30.9%減、自動車は17.8%増。 6月と比較した7月の見通しについては、飲食業の42%が増、17%が減、小売業では35%が増、20%が減とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の60%と日韓レストランの44%、小売業のうちコスメティック・衛生用品小売、百貨商、自動車ディーラーのそれぞれ60%、56%、36%が増と回答。 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が62.9、小売業が57.5で、いずれも基準値となる50を上回り、6月に比べて7月の売上が良化するとみていることを示す結果に。 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。今年上半期累計のインバウンド旅客数は前年同時期から43.6%増の1671万9983人、2019年同時期と比較した回復率は82.4%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。