あの「黄金世代」から5年…東海大まさかの落選 「留学生級」スーパーエース抜きの東農大は1秒差で涙…箱根駅伝“大波乱の予選会”はなぜ起きた?
「トップ通過候補」東海大が落選の波乱
東海大は前回の箱根で11位と、ぎりぎりで予選会に回っていた。3年生を中心に戦力は落ちておらず、6月の全日本大学駅伝関東選考会はトップ通過を果たしている。今回の予選会も上位通過が見込まれていたが、よもやの結果となり涙に暮れた。 エースの花岡寿哉(3年)が重い口を開く。 「自分たちの代がもっとしっかりチームを引っ張っていかないといけないのに、ケガだとかもあってうまくいかなかった。自分も夏合宿辺りから本調子ではなくて、タイムをうまく稼げなかったです」 そうは言うものの、花岡は個人23位。集団走が崩れる中で意を決して前に行き、しっかりと後半上げて役割を果たした。むしろ敗因はチーム状態にあったのだろう。2枚エースの一人である兵藤ジュダ(3年)が故障により欠場。今季好調だった鈴木天智(3年)も直前の練習で足を捻挫し、出場辞退を余儀なくされた。 花岡、檜垣蒼(1年)、南坂柚汰(2年)、越陽汰(4年)の4人が前の集団でタイムを稼ぐ戦法だったが、南坂が気負いから突っ込み、越が早々に遅れたことで焦りが生まれたという。 さらに、こんなアクシデントもあった。 ゴールまで残りわずか10メートルというところで、チーム10番目を走っていたロホマン・シュモン(3年)が2度目の転倒。重度の熱中症により意識を失い、途中棄権となったのだ。これも焦りと暑さによる影響が大きかったのだろう。 もしロホマンがゴールしていれば通過は固かったが、個人396位と苦しんだ越のゴールを待たなければならず、東海大は12年連続の出場を逃した。 花岡が唇を噛んで、こう話す。 「ゴールして、監督からロホマンのことは聞きました。チームのために最後まで力を振り絞ってくれた結果なので、彼を責めたくはないです。この大学にいれば4年間箱根に出られると思っていたんですけど、やっぱりそこに対する自分たちの甘さであったりとか、行けるだろうって気持ちがどこかにあったと思う。また一からチームを作り直して、来年は絶対に出たいと思ってます」
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