世界最大の化粧品企業「ロレアル」CEO単独取材 デジタル分野の日本の新興企業と協業へ【WBS】
高級ブランドのイヴ・サンローラン・ボーテやプラダ ビューティー、日本ブランドのタカミ。実はすべて同じフランスの「ロレアル」グループのブランドです。この世界最大の化粧品企業「ロレアル」のトップであるニコラ・イエロニムスCEOが、テレビ東京の単独取材に応じ、デジタル分野で日本のスタートアップとの協業を進める計画を初めて明かしました。 今回の訪日の目的について「最も洗練された美容市場の一つである日本のトレンドを視察したかった」と日本の可能性に触れたイエロニムス氏。実は今年1月、ラスベガスで開かれたテクノロジーの祭典「CES」の基調講演でのある発言が注目を浴びました。 「ビューティー・テックの分野で卓越したリーダーになるべく全社を挙げて取り組む」(イエロニムス氏) ロレアルが打ち出したビューテー・テックとは一体どんなものなのでしょうか。日本オフィスで特別に体験することができました。
「こちらは何ですか」(竹﨑由佳キャスター) 「スキンスクリーンという肌の分析機。3つのライトを使って、肌の表面や内側のダメージなど肌の状態を見る」(「ロレアルグループ」ランコム美容部員のルイさん) 紫外線など3つのライトを照射し、高精細カメラで顔の正面と左右を撮影。肌を印象づける毛穴の開きや小じわなど8つの要素を分析しました。30秒ほどでAIによる診断結果が出ます。 「ほとんどがグリーン」(ルイさん) 「これは良い結果ですか?」(竹﨑キャスター) 「いい結果です」(ルイさん) 見た目ではわからない肌のコンディションがわかります。
他にも傘下のイヴ・サンローラン・ボーテでは、AI技術でオリジナルの口紅を作るデバイスを開発。肌質や好み、その日の気分に組み合わせて、自分専用の口紅を作ることを可能にしました。 美容に最新技術を使うビューティー・テック。イエロニムスCEOは日本にはこうした技術面の可能性があると強調します。 「ビューティー・テック分野で率先して行っているのが、他社との共同事業だ」(イエロニムス氏) 「テック分野を進めていくためにしていることは?」(竹﨑キャスター) 「日本でも大量にスタートアップをスカウトしている。去年は(アジアで)1500社ほどスカウトしている」(イエロニムス氏) 現在、日本を含むアジアで美容に生かせる基礎的な技術を持つスタートアップを探すピッチイベントなどを開いています。イエロニムス氏は今後ECを含むデジタル分野にもその対象を広げ、重点的に日本のスタートアップなどと協業する考えを初めて明かしました。 「日本における次のプロジェクトにはデジタル企業も含まれる」(イエロニムス氏) さらに日本の市場としての可能性にも言及。その鍵となるのが、過去に買収した2つの日本ブランドだと言います。 「2社とも日本のトップ3に入るスキンケアブランドで成長中。われわれの成長にも貢献している」(イエロニムス氏)