退職後の健康保険は「任意継続制度」と「国民健康保険」どっちがお得?シミュレーションしてみた
任意継続と国民健康保険どちらがお得かシミュレーション
退職前の月収別にシミュレーションをしてみましょう。 条件として、協会けんぽ(東京都)加入、東京都世田谷区在住、年齢30歳を想定します。 ●退職前の月収が30万円の単身者 <任意継続の保険料> 標準報酬月額30万円×9.98%=2万9940円 2万9940円×12ヵ月=35万9280円 年間保険料:35万9280円 <国民健康保険の保険料> 給与収入360万円-給与所得控除116万円=総所得金額244万円 所得割:(総所得金額244万円-基礎控除43万円)×11.49%=23万949円 均等割:6万5600円 年間保険料:29万6549円 任意継続をした場合の年間保険料は約36万円。対して国民健康保険に加入した場合の年間保険料は約30万円となり、国民健康保険に加入した方がお得ということがわかりました。 他の月収でもみてみましょう。月収20万円から月収100万円まで10万円刻みにして試算した結果は以下となります。 任意継続の場合をみてみると、月収30万円以上から年間の保険料は36万円と変わっていません。これは月収30万円が任意継続の上限となっているからです。 一方、国民健康保険の場合は、月収90万円以上で保険料の上限となっていることがわかります。 そのため、月収30万円までは、国民健康保険に加入した方がお得ですが、それ以上になると、任意継続の上限に達するため、任意継続の制度を利用した方がお得となります。 ●扶養家族がいる場合のシミュレーション 扶養家族がいる場合もシミュレーションしてみましょう。 条件として、協会けんぽ(東京都)加入、東京都世田谷区在住、年齢40歳、妻(38歳)と子2人(小学生)を扶養しているケースを想定します。 任意継続の場合、月収30万円が上限であるため、月収30 万円以上からは年間約42万円の保険料で済みます。また、扶養家族が何人いても、保険料は本人分のみとなります。 一方、国民健康保険に加入した場合は、扶養という概念がないため、家族の人数分の保険料が発生します。 月収15万円と月収20万円は均等割が5割軽減、月収30万円は2割軽減されますが、それでも任意継続より保険料は高くなっています。月収40万円以上になるとさらに任意継続との差が大きくなっていきます。 このように、国民健康保険は世帯全員の保険料負担があるため、保険料が高くなる傾向があることを頭に入れておきましょう。