予選Q3でアルボン車に珍事。冷却装置装着のままコースイン、ウイリアムズに罰金も“黄旗回避”が評価され厳罰はなし
ウイリアムズは、F1アゼルバイジャンGP予選中、アレクサンダー・アルボンのマシンにエンジン冷却ファンを取り付けたままコースに送り出したことにより、5000ユーロ(約78万円)の罰金を科せられた。 【写真】2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP 予選後のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ) Q3最後のアタックのためにピットから出ていったアルボンは、頭上のエアボックスにファンが取り付けられたままであることを知らされ、ピットレーン出口で停止。チームの指示により、マーシャルの力を借りずに、自分でファンを取り外し、車外に放りだした。アルボンはその後、コースを走行した後、タイムを記録することなくピットに戻った。 この一件は、安全でない状態でのリリースとして調査された結果、通常のケースと同じペナルティとして、罰金5000ユーロがチームに科された。 スチュワードは、アルボンの件について、次のような声明を発表した。 「23号車の車両は、エンジン冷却ファンを装着したままの状態で、ガレージからリリースされた。車両はピット出口の最初の機会で停止し、ドライバーはファンを取り外して車外に投げ、マーシャルがそれを回収した。その後、アルボンは走行を再開し、追加のタイムを記録することなくピットに入った」 「通常、安全でない状態でリリースされた場合、次の安全な場所で停止することが期待される。部品を車外に投げ捨て、マーシャルがそれを回収することは、通常のことではない。しかし、この場合、チームとドライバーの行動が、他のドライバーの予選アタックに影響が出ることを防いだ。もし車両がそのまま停止していたり、ランオフエリアまで走行していたなら、イエローフラッグを掲示する必要があっただろう。この特殊なケースでは、部品を投げ出すことで、イエローフラッグを避けることができたのだ。ヒアリングで話し合われたとおり、これは『悪い選択肢のなかでは一番ましな選択肢』となった」 「これらの行動が他の競技者に影響を与えたり、さらに危険な状況を引き起こしていた場合、スチュワードは追加の処分を科しただろう。しかし、このケースでは、安全でない状態でのリリースに対する通常の罰金5000ユーロを科す」 アルボンは、Q3最初のアタックをユーズドソフトタイヤで行い、暫定8番手につけた。そして最後のアタックに新品ソフトで出ていく際に、チームのミスが発生。その結果、アルボンはタイムを更新する機会を得られず、予選10番手に落ちた。 アルボンは「トウを得るために急いでいた」と述べている。チームはアルボンを良いタイミングでピットレーンに送り出すことに集中していたあまり、担当メカニックがファンを取り外す前にマシンを発進させるというミスが起きたようだ。 [オートスポーツweb 2024年09月15日]