三井化学がトナー用樹脂から撤退する背景事情
三井化学はトナー用バインダー樹脂事業から撤退する。2025年度上期に、茂原分工場(千葉県茂原市)における同樹脂の生産を停止する予定。今回の撤退による業績への影響は軽微と見込む。顧客など関係先に対しては、切り替えが円滑にできるようにするなど対応する。 生産を停止するのはトナー用バインダー向けスチレンアクリル樹脂とポリエステル樹脂で、商標名は「アルマテックス」と「アルマスター」。価格競争の激化や原材料の価格高騰に加え、コロナ禍以降の働き方の変化に伴う印刷需要の縮小によって、事業採算性が厳しい状況だった。 トナー用バインダーは、プリンターや複合機の消耗品であるトナーの原料。トナーを構成する接着剤やワックスなどその他原料を結びつけるとともに、加熱によって溶け、紙にトナーを定着させる役割を持つ。