飯沢千翔、予選で転倒→失格→上訴→救済→決勝で大会新記録出し優勝…”激動の2日間”を戴冠締め【陸上・男子1500m】
◇28日 陸上 日本選手権第2日(新潟・デンカビッグスワンスタジアム) パリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、男子1500メートル決勝は飯沢千翔(住友電工)が参加標準記録(3分33秒50)には届かなかったが、3分37秒08の大会新記録で優勝した。 アクシデントを乗り越え、決勝の舞台で地力を見せつけた。エントリータイムではこの種目トップだけに「確実に1番を狙って走る」と臨んだレース。先頭を走っていたペースメーカーが離れてからピッチを上げると、第3コーナーからスパートして一気に後続を引き離した。最後の直線でも勢いは衰えず、圧勝のゴールを決めた。 インを巡る位置取りの激しさから”陸上の格闘技”ともいわれる1500メートル。飯沢は前日の予選でペースメーカー役の外国籍選手と接触して残り200メートルで転倒するアクシデント。他の5選手も巻き込むこととなり、一度は飯沢の進路妨害とみなされて失格となった。その後、飯沢側が動画などを基にした上訴が認められ、救済措置で決勝に進んだ。 「3時間くらい監督やスタッフが格闘してくれた。感謝してもしきれない」。九死に一生を得て挑んだ決勝は前日の転倒による左脚の擦り傷の痛みをものともせず完勝。”激動の2日間”を経て「今までなら予選で転んでけがしたら(心が)折れていた。メンタル面は成長できていると思う」と振り返った。
中日スポーツ