忘年会は「不参加」が吉? 体調不良の引き金になる“5つのシチュエーション”を医師が解説
世間では忘年会シーズンに入りはじめ、街は賑わいを見せています。そうした中、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症のニュースも、連日報じられています。 【イラスト解説】年末年始に起こりがちな疾患5選 あなたは何個わかる? 忘年会シーズンを健康に乗り切るためには、どのようなことが必要なのでしょうか? 現在の感染症の状況や対策について、中路医師に伺いました。
新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染状況は?
編集部: 忘年会シーズンを迎えて会食の機会が増えていますが、感染症にはしっかりと気をつけたいところです。現在の感染症の状況について教えてください。 中路先生: 感染症の現状については、2024年11月18日~11月24日までの1週間に、集計された各疾患の患者数を元に紹介します。 新型コロナウイルスの1医療機関あたりの平均患者数は1.81人でした。都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、秋田県が7.96人と最も多く、岩手県の6.37人、北海道の5.50人と続いています。 インフルエンザの1医療機関あたりの平均患者数は2.36人でした。都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、福岡県が5.79人と最も多く、山形県の5.65人、沖縄県の5.52人と続いています。 手足口病の1医療機関あたりの平均患者数は3.37人でした。都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、鹿児島県が8.80人と最も多く、沖縄県の7.34人、岩手県の6.78人と続いています。手足口病の感染者は2024年には2回ピークを迎えており、7月8日~7月14日の1医療機関あたりの平均の患者数は13.34人、10月7日~10月13日は1医療機関あたりの平均の患者数は10.78人でした。現在の報告患者数も例年と比べると多くなっていますが、今年経験した二度のピークと比べると減少傾向が見られます。
忘年会シーズンで気をつけるべきことは?
編集部: 忘年会シーズンは、体調不良を引き起こす要素が複数ありますが、気をつけるべきことを教えてください。 中路先生: まず前年度の忘年会の状況について、2023年の忘年会と2024年の新年会を「開催する」と回答した企業は、半数以上あったそうです。忘年会などの人の集まりで注意すべきことは、やはり「基本的な感染対策」となります。長時間におよぶ大人数での飲食や複数の飲食店を「はしご」することは、少人数の短時間の食事と比べて、感染のリスクが高まります。 具体的に、注意すべき5つのシチュエーションは以下のとおりです。 【ビュッフェ形式の食事】 料理の飛沫汚染のリスクが伴います。アクリルケースで料理を覆って飛沫から料理を保護し、小皿に取り分けた状態で料理を提供することや、スタッフがサーブすることで直接接触を減らすデリショーケース方式の導入が望まれます。 【会食】 長時間の会食は避け、小まめな部屋の換気と人との距離の確保を心がけましょう。また、会食の場でも小まめな手洗いと消毒を忘れないようにしましょう。 【他人との食器の共用】 回し飲みや箸などの共用は避けましょう。 【カラオケ】 大声を出すカラオケでは、飛沫が飛びやすくなるため、感染のリスクが高まります。 【体調不良】 忘年会当日に体調が優れない人は、けっして無理せず参加を見送りましょう。