M&A手がけた税理士が自らインサイダー取引の重大疑惑
四季報オンライン
「市場の番人」――。日夜株式市場を監視し、相場操縦やインサイダー取引などの不公正な取引を調査する証券取引等監視委員会(監視委)は、畏怖を込めてそう呼ばれている。ひとたび不公正な取引を発見すれば、金融庁に対して課徴金の納付命令を勧告や、検察に刑事告発を行うこともある。 投資家を守り、市場機能の健全化を促すという目的のため、その絶大な権力を適切に行使しているか、監視委はその真価を常に問われる立場でもある。そんな市場の番人が今回処分に踏み切ったのは、どのような案件か。 (本連載は不定期で掲載します) M&Aに関する契約締結交渉に従事していた税理士が、その事実が公表される前に、将来的に親会社となる企業の株を、知人名義の口座で買い付け、さらにその知人にも買い付けを推奨していた――。 証券取引等監視委員会(監視委)は3月28日、こうしたインサイダー行為を認定したとして、古物の売買を行うダイヤコーポレーション(現・タイムレス)の代理人を務めていた東京都に住む税理士の50代男性に対し、課徴金303万円の納付命令を発出するよう金融庁に勧告した。
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川辺 和将