G-SHOCK最上級ライン「MR-G」に加わったフルアナログの薄型「MRG-B2100B」開発担当者が明かす”日本の技術へのこだわり“
–面積的にも液晶盤の代わりを担っているイメージですね。(何気なくLEDを点灯させる)あの~……すごくいまさらですが、MR-Gのライトは以前から徐々に消えていくような情緒的な消灯の仕方でしたか? 石坂さん:趣きを感じていただけてよかったです(笑)。せっかくなら実用一辺倒ではなく、使うことを楽しんでいただきたい。そういう思いから、MR-GはLEDライトにも工夫を凝らしたんです。 –今回の組子格子と相性がすごくいいですね。和の心が感じられるというか。 石坂さん:MR-Gは山形カシオで製造していますし、ベゼルのコバリオンやバンドのDAT55Gも日本独自の合金です。これに文字盤の組子格子のような伝統的な要素が加わったMRG-B2100は、とくに日本の技術にこだわったモデルといえますね。ちなみにDAT55Gは大同特殊鋼株式会社が開発した素材で、コバリオンは東北大学金属材料研究所で開発されたものを株式会社エイワが製造しています。それぞれの素材の背景もとてもユニークなのですが、私から説明するにはとても時間が足りないのでご自身で調べてみてください。
–さて、2100まで出てきてG-SHOCKの定番がMR-Gに揃った印象です。とはいえ、まだまだG-SHOCKの中にはMR-Gとして出てきてもおかしくない人気モデルがたくさんありますし、そろそろMR-Gオリジナルのデザインも見てみたい気もしますが……。 石坂さん:う~ん、色々と考えているのは事実ですが。……やっぱり言えませんね(笑)。
取材後記
筆者にとって石坂氏へのインタビューは昨年のMR-Gフロッグマン以来、約1年ぶり。最後の質問こそはぐらかされてしまったものの、相変わらず多くのことに詳しく答えていただくことができた。今回のインタビューには出てきていないが、以前の取材でG-SHOCKのフルアナログ化がいかに難しいかを聞いたことがある。液晶単体のモジュールとは異なり、アナログモジュールは針による表示はギアやディスクなどのパーツが増え、針の取り付けにも繊細さが要求される。しかもそのすべてがG-SHOCKの耐衝撃テストに合格する必要があるのだ。