「昭和的かもしれないが」賛否両論の店主・笠原将弘が語る「働くこと」と「将来は店を継ぐ」宣言をした息子への本音
「賛否両論」はそのためのつなぎに過ぎない、なんて偉そうなこと言ってますけど(笑)。嬉しい誤算なんですが、わりかし上手く行ったからやめられなくなっていて。予約の取れない店と言われているけど、本当は来たい時に来られる店をしたい。自分がそう思うからね。日曜の夕方に「今日の夜、何食べたい?」「今日は焼肉の気分」みたいなやりとりしますよね。本来、食事ってそういうもんでしょう。銭湯に入ってきた帰りにフラッと立ち寄れるような店を作りたいですね。
── 店に立ち続けるための健康法などはありますか。 笠原さん:ジムなどには行っていませんが、気候がいい時期は家から店まで45分くらい歩いてますよ。あとは、毎晩サウナに入る。そのおかげか1年中、風邪もひかないし、病気もしない。たぶん、店の中で俺が一番元気。若い子の方がしょっちゅう体調不良で休んでるね。 ── 毎晩サウナですか! 笠原さん:長らくサウナブームが続いているけど、俺は親父に影響を受けて通い始めたから子どもの頃からで、元祖ですね。帰り道に遅くまで営業しているサウナがあるからそこに寄って、家に帰ってビールを飲むのが日課。まだ娘が起きていたら一緒に一杯飲みますよ。亡くなったカミさんに似て酒が強いんです。リビングにカミさんの大きい写真を飾って、その前のテーブルで娘と飲んでますね。
── その姿を見て、きっと奥さんも喜んでいそうですね。 笠原さん:そう思ってくれたらいいなと思ってるね。 PROFILE 笠原将弘さん 1972年、東京生まれ。焼鳥店を営む両親の背中を見て育ち、幼少期からさまざまなセンス、技、味覚を鍛えられる。高校卒業後、「正月屋吉兆で9年間修業後、実家の焼鳥店を継ぐ。店の30周年を機にいったん店を閉め、2004年9月、恵比寿に自身の店「賛否両論」を開店。私生活では、ビールをこよなく愛する3児の父。
取材・文/内橋明日香 撮影/CHANTO WEB NEWS 写真提供/笠原将弘
内橋明日香