ほぼ全裸・風俗PR…2025年、カオスな選挙ポスターはなくなるか N国などの動きに募る危機感、公職選挙法改正へ
■ 公職選挙法の改正案はなにをどう禁じている? 公選法の改正は当初、2024年秋の臨時国会で議論される予定でしたが、衆院の解散・総選挙を挟んだことなどから与野党の協議が間に合わず、年末の与野党7党による協議でようやく改正案が合意に至りました。 改正案の最大のポイントは、「品位保持」規定の新設です。 与野党の合意内容によると、ポスターには「一定の品位」を保つことが必要とされ、他人や他党の名誉を傷つけたり、善良な風俗を害したりする行為は「品位を損なう」として禁止されます。他方で、ポスターには候補者の名前を記載することを義務付け。選挙ポスターを使って特定の商品やサービスの宣伝をしたり、営利目的のポスターを掲示したりすると、100万円以下の罰金刑が科せられます。 「一定の品位」については、すでに政見放送に関する規定が公選法に存在します。第150条の「政権放送における品位の保持」がそれで、(1)他人や他の政党・政治団体の名誉を傷つける言動、(2)善良な風俗を害するもの、(3)特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする行為は、政見放送としての品位を損なうものとして禁止されています。 この規定には罰則があり、政見放送や選挙公報において、特定の商品の広告やその他の営業に関する宣伝を行った者は、100万円以下の罰金刑が科せられます。 今回の公選法改正案に新たに盛り込まれるポスター規制もこれらと同じ趣旨といえるでしょう。改正案の内容には与野党が合意しており、法案は通常国会で成立する見通しです。 自民党の逢沢一郎・選挙制度調査会長は与野党の合意後、「正しい選挙の実体を確保するという意味で、まず公設の掲示板、ポスターの公選法改正は与野党の大きな合意の中で成立させたい」と語りました。改正法は2025年夏までに施行させたい考えで、今夏に予定されている東京都議会議員選挙や参議院選挙は、この改正法の下で実施されることになりそうです。