パラオ大統領選、現職が勝利宣言 「親米親台」路線を継続へ
【台北=西見由章】太平洋の島嶼国パラオで5日に実施された大統領選で、現地メディアは12日までに、再選を狙う親米派の現職ウィップス氏(56)が勝利宣言したと報じた。一騎打ちを演じたレメンゲサウ前大統領(68)は敗北を認めた。ウィップス氏は米軍との安全保障協力を拡大して中国とは距離を置く外交方針を掲げており、台湾との外交関係も維持する見通し。 パラオの選挙管理当局によると、12日現在の非公式統計ではウィップス氏の得票は4323票で、レメンゲサウ氏の3106票を上回っている。ただし国外在住者の票数は含まれておらず、最終集計は未発表だ。 パラオの人口は推計で約1万8000人。1994年の独立時に発効した自由連合協定に基づいて米国に防衛を委ね、財政支援も受けている。一方、台湾との断交を求める中国はパラオへの団体旅行を制限するなどして揺さぶりをかけていた。パラオの主要産業は観光業で、中国は経済的圧力をかけ続けるとみられる。