一般は感染予防、五輪では酒類提供 「五輪だけは特例では機運下がる」―東京都医師会・尾崎会長
東京都医師会の尾崎治夫会長は22日、記者会見した。記者から、五輪会場内での酒類の提供が検討されていることについて見解を問われ、「いまの(新型コロナウイルスへの)感染に対して、これだけ飲食店の方とかいろんな方にご苦労をおかけしながら、『予防』『予防』と言ってきたのが、この間、急激に観客を入れるとか、開会式は2万人規模になるとか、今度は矢継ぎ早に酒類を提供するという話になると、やはり一般的な国民・都民の感情は、どうしてそうなってしまうの、という思いが強くなってしまうと思う」と述べ、国民や都民から理解が得られにくいのではないかとの認識を示した。
また、尾崎会長は「アスリートのためにもオリンピック開催は大事だと思っているが、やはり国民的な行事は、国民のみなさん、あるいは都民のみなさんが『やっぱりオリンピックをやってほしい』とか『私どもも一生懸命応援します』という状態でやるべきものだと私は思っている」と指摘。 そして「そういうことから言うと、何かオリンピックだけは特例のものがどんどん出てきて、一般の社会の中では相変わらず感染予防に対して厳しい状態が続くと、完全にオリンピックは別物だという話になってしまうと、みなさんでしっかり応援して、そして盛り上げていこうという機運が、私はますます薄れてしまうのではないかと危惧している」と語った。 最後に「感染症対策の面から言っても、オリンピック開催、私もアスリートファーストでやってほしいと考えているが、観客をどうするか、さらにそこでアルコールを提供することはどうするかということは、競技と直接それ関係あるのかなと私は思うわけで、そこはしっかり見直すなりしていただきたい」と注文をつけた。