世界初の電動『ハイラックス』、トヨタとBHPが豪州鉱山で実用化へ
トヨタオーストラリアは10月28日、鉱山大手BHPと、世界初となる電動『ハイラックス』のダブルキャブ試作車の実証実験を開始すると発表した。この画期的な取り組みは、両社の脱炭素化への取り組みを象徴する重要なマイルストーンとなるという。 トヨタ・ハイラックス・ダブルキャブのEVプロトタイプ
実証実験は、西オーストラリア州にあるBHPのポートヘッドランド事業所で行われる。ポートヘッドランドは、オーストラリア最大かつ世界有数の鉄鉱石積出港である。電動ハイラックスは、従来ディーゼル車が担っていた様々な業務に投入される予定だ。
11月下旬から約12か月間にわたって実施される実験では、BHPが実用性や性能に関するフィードバックをトヨタに提供する。トヨタオーストラリアのマシュー・カラコー社長兼CEOは、「この試みは両社にとって刺激的な機会であり、ハイラックスの歴史における重要な節目となる」とコメントしている。
この実証実験は、2023年8月に両社が締結した覚書(MOU)に基づいて実施される。MOUでは、BHPのオーストラリア事業における脱炭素化施策の推進を目的として、安全性、エンジニアリング、製品開発の分野で協力することが合意されている。特に軽車両の設計や将来技術の可能性と課題に焦点が当てられている。
電動ハイラックスの実用化は、自動車産業の電動化が商用車分野にも急速に広がっていることを示している。鉱山業界という過酷な環境での実証実験は、電動車の耐久性や性能向上に貴重なデータをもたらすことが期待される。
レスポンス 森脇稔