ブンデスリーガの再開を心から喜べない理由【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
長年の敵対関係を超越したサッカーに対する飢餓感
「レビア・ダービー」で先制ゴールを決めたハーランド。普段ならお祭り騒ぎになる会場が、まるで手術室のような静寂に包まれた。(C) Getty Images
主要スポーツリーグの先陣を切ってブンデスリーガが再開した。多くのサッカーファンが歓喜する一方で、早すぎるリスタートには反対の声も多い。ウイルスが再び蔓延する可能性は否定できず、現状では不安が拭えない。(文:ルドガー・シュルツェ/訳:安藤正純 2020年6月4日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック ドイツ』を転載) ―――◆―――◆――― イングランドとドイツは、数十年前から互いに反目し合う関係が続いている。もちろん政治の話ではない。もっぱらサッカーにおいて、両国間には強烈なライバル心が存在している。とくに意識しているのが、イングランド側だ。ドイツ相手となると異様なまでの敵対心を燃やす。国際舞台でつねに好成績を収めてきたドイツをねじ伏せたいという強い想いと、「サッカーの母国」としてのプライドがそうさせているのだろう。 そんなライバル関係を生むき
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