ストレス社会を生き抜くための新たな方法「ジャーナリング」2カ月で感じた魅力と効果
厚生労働省が公表した2023年(令和5年)労働安全衛生調査(実態調査)結果によると、強い不安や悩み、ストレスを感じる労働者の割合は82.7%だった。このように多くの人がストレスを感じる現代では、メンタルヘルスケアの重要度が高まっている。 【調査結果】職場で最もストレスを感じるとき 個人でも取り組めるメンタルヘルスケアの手法もさまざまで、なかでも手軽に取り組める方法として「ジャーナリング」に注目が集まっている。ジャーナリングとは、頭に浮かんだ思考や感情を自由にノートに書き出していく手法である。 書く瞑想とも呼ばれるこの手法の効果として代表的なのが「ストレス軽減」だ。ストレスを感じている時、頭の中が悩みや今後の予定などでいっぱいになっていることが多い。その内容を紙に書き出すことで、客観的に考えられるようになり頭の中がスッキリし、心理的な負荷が軽減されるのだ。 また、思考や感情を書き続けることによって、自分自身の傾向や価値観を客観的に見つめ直す機会となるのもポイントといえるだろう。後で読み返すと「こんなことを考えていたのか」と自己理解を深めることができる。 さらに自由に思考や感情を書き出していると、新たなアイデアや発想が生まれることもある。これによって生まれたアイデアは、仕事や趣味などさまざまな場面で活用できることだろう。 ジャーナリングの実践方法を調べてみると、決まったやり方があるわけではない。そこで筆者が現時点で約2カ月継続している手法を紹介しよう。 まずはノートと鉛筆を用意し、タイマーで10分の時間制限を設定する。ジャーナリングを行う時間は朝と決めており、日課としている瞑想の後にノートに向き合っている。 最初の1分は文字にすることなく、その時感じる感情を絵のようにして書きなぐる。気分がポジティブな時とネガティブな時では出来上がる絵が異なるのが面白い。 残りの9分間で頭のなかにある思考や感情を、ただただ書き続ける。文法や誤字脱字を気にせず、素直な思考や感情を表現することが大切だ。 実際に2カ月間ジャーナリングをやってみると、さまざまな効果が実感できた。まず感じたのは1日のスタートに自分と向き合う事で、その日のスケジュールを無理なくこなすことができるようになったことだ。特に寝起きから憂鬱でネガティブな感情になっている時にジャーナリングをおこなうと、気持ちをリセットすることができた。いつもならマイナスな状態から1日がスタートしていたのが、フラットな状態からスタートできたのである。 ジャーナリングを始めたころは感情面の向き合いが多かったのが、1カ月を過ぎたころから新しいアイデアが自然と浮かび上がってくるようになり、具体的な行動につながることも増えていった。確実に行動力が向上しているのを感じている。 また、この2カ月間で書いていた内容を振り返るのも面白い。ネガティブな内容よりもポジティブな内容の方が増えていたのである。これだけの効果がノートと鉛筆だけで手に入るのであれば、コストパフォーマンスも優秀なのではないだろうか。 とはいえ「手書きが面倒臭い」「ノートを持っていない」という人もいるだろう。その場合は、専用のアプリを活用するのも一つの方法である。 ジャーナリングをおこなうことでストレス軽減につながるという効果は、筆者自身は体感することができた。もし日々のストレスで悩んでいる人は、朝の10分をジャーナリングに使ってみてはいかがだろうか。 (よろず~ニュース特約ライター・夢書房)
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