辛口コラムニストが選ぶ2024年「ドラマ総まくり」 ワースト1位がまさかの「虎に翼」になった“深い理由”
来年はAIに任せられる?
林:とはいえ、ワタシの選択が正解です! なんて胸を張るつもりは一切ないけどね。さんざん迷って、いやホントにAIに判断を任せちゃおうかと思ったくらい。 アナ::思っただけですか? 実は…… 林:バレたか。溺れる者は藁をも掴む。ChatGPTにも尋ねてみたのよ。でも、藁は藁でした。「不適切」のほうがベストで、理由はネットに転がってるレビューの数が多いからだって。ワタシ以上にエエ加減。でも安心したのよ、少なくとも非国民生活センターのTV研究部門の仕事は、AIに奪われる心配がまだなさそうだから。 アナ::そうですか? シリーズもの頑張れ、外資が本気出してきた、「不適切」と「虎に翼」は甲乙つけがたい……というあたりの話であれば、もうAIでもできるような気がしますが。 林:あ、ワタシが今日、延々と語ってきたことを、それこそAIみたいに簡単にまとめてくれちゃったね。腹が立つけど、そのとおりだな。それなら自主規制なんかせず、考えてること全部ブチまければよかったよ。 アナ::あえてお尋ねしますが、たとえばどんなことを? 林:ベストにもワーストにも旧ジャニーズ系タレントの主演ドラマをほとんど選ばなかった理由とか、個人的には楽しんで見られたNHKのドラマのあれやこれやを無視した理由とか、実は一番熱心に追いかけていて個人的にベストに推したいのは民放BSで再放送された「赤い迷路」(TBS系/1974~75年)や「ありがとう」(同前/1970~75年)、「探偵物語」(日テレ系/1979~80年)、「熱中時代」(同前/1978~79年)でしたとか。 アナ::うわぁ。特に過去の名作の再放送についてはうかがいたい気もしますが、この番組、30分モノなのに、林さん、すでに4時間お話しされています。スタッフは編集をAIに任せたいと思ってますよ。 林:おお、じゃポスプロ(収録後の編集作業)はAIに投げて、さ、みんなで呑みに行こうよ! アナ::……皆さん、呑み過ぎ、食べすぎ、楽観しすぎに気をつけて、楽しい年末年始をお過ごしください。そして2025年がAIに仕事を奪われない、よい年になりますように! ――前編ではAIが選んだ今年のドラマ・ベスト&ワーストを発表!
林操(はやし・みさお) コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。 デイリー新潮編集部
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