店内BGMをAIで作曲 制作現場はA型作業所…社会貢献につながる“新サービス”とは
制作は就労支援が必要な人など経済困窮な人に依頼
「MusicSeed」が生み出すAIを使った楽曲制作の特徴は、この道のプロではなく、就労支援が必要な人やシングルマザーなどちょっと意外な人たちに依頼していること。きっかけは今村さんが就労継続支援A・B型事業「アムール尼崎」を運営する一般社団法人Amour代表の山口徹さんと出会ったことが大きかった。 「このシステムを立ち上げた目的の一つにはいろいろな人を支援したいという思いがありました」 近年、A型作業所は利用者との雇用契約や、最低賃金の保証、各種保険など、B型とは違い資金面で運営のハードルは高くなってきたという。そんな社会状況のなかで、一般社団法人Amourとタッグを組み、A型作業所にも仕事を出すことになったそうだ。 最初に作業所側の山口さんが心配したのは「僕たちがAIを使い、楽曲制作をちゃんとできるだろうか」ということだった。しかし「楽曲制作の仕方を教えますので、誰でも制作できるようになるので、大丈夫ですよ」と今村さん。その言葉通り「きっちりとご指導いただき、まず、代表の僕がチャレンジしました。僕ができるのなら、大丈夫と思いましたね」と山口さんは笑顔を浮かべた。 聞けば、現在、楽曲制作している就労支援のアムール尼崎では4名の利用者が1人約30曲/日の楽曲制作をしているという。かなり楽しいようで誰も休まず働いてくれているそうだ。 「在宅でしか作業できない人や、社会的に弱い立場にある、そのような方々をこれからもAIを使った仕事を通して支援していきます」と、力強く語ってくれた今村さん。この秋から本格的に店内BGMを利用している店舗などに向けて「MusicSeed」のセールスを強化していくという。
心温かい”音楽の種”によって働く環境に広がりを
このシステムが本格的にスタートしたのは8月。すでに顧客は62社、約200店舗にのぼり、930曲を制作(10月末時点)している。「1日に5件ずつくらい受注しています」とアムール尼崎の山口さん。小さな活動かもしれないが、新たな音楽サービス「MusicSeed」によってまかれた種が育てば、多様な人々の働く場も広がっていくことになりそうだ。 ◇「MusicSeed」 https://musicseed.my.canva.site/ 以下の YouTube ではAIによる曲も聴くことができる。 https://www.youtube.com/channel/UClFxfORVi7XrR3I0dgI950w
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