【『No No Girls』レポート#6】それぞれの“No”と向き合い、そこから脱出する個性あふれるパフォーマンスの連続に、ちゃんみなも思わず爆笑
ハプニング続きのBチーム
続いては、AIKO、JEWEL、HIBIKIのBチーム。ゆるやかで和気あいあいとした雰囲気のこのチームは、ちゃんみなとの曲の構成決めもスムーズ。約1時間でメロディがほぼ完成と、順調な滑り出しを見せる。 しかし合宿4日目。HIBIKIが風邪で声が出なくなってしまった。3次審査でも風邪で声が出なくなっていた彼女は、ノートに「毎回大事なトキにこわれるんです」と書いてスタッフに伝える。突然のハプニングに、ほかのメンバーたちにも焦りが募る。緊張感が高まるなか、AIKOが泣いてしまう場面もあった そして5日目には、なんとAIKOの具合も悪化。本番まであと5日と迫っているなかで、JEWELひとりで練習することに。 自分のパートをひたすら練習し、完成されていない振り付けを考えるJEWEL。しばらくしてAIKOが病院から戻り、練習に参加することに。もともとダンスを考えたいと思っていたAIKOが加わったことで、無事に振り付けは完成した。 本番を2日後に控え、HIBIKIが合流。ようやく3人そろって練習することに。時間が迫るなか、果たして本番までに間に合うのか……。
支え合いながら結束力を深めていくCチーム
最後はKAEDE、KOHARU、MOMOのCチーム。初日から積極的に引っ張るのはKOHARUだ。「お互いを知ろうよ」とふたりに話しかけると、率先して自分から語り始める。 「私はまわりから“No”って言われているわけではなくて、自分自身に“No”って言っちゃう人なのね……」 KOHARUは母・姉ともにダンサーのダンス一家で育った。家族インタビューでは、姉から「自分が嫌いなところを受け入れる。嫌いなところを好きになるわけじゃなくて、嫌いなところを受け入れるマインドを広げていくのが自分と向き合う時間」とアドバイスされていた。そんな彼女はオーディションへの意気込みについて、こう話す。 「自分に“No”と言っちゃうのを直したい。自分を変えるために、人としてもアーティストとしても成長するために、このオーディションを受けて変わりたいなって思っている人間です」 続けて、KAEDEが語る。高校3年生のときに事務所のオーディションを受けた際に、自分で作った曲を提出したら「声だけ使わせてほしい」と言われたそうだ。 「自分の曲で、自分として、自分の声で、なんで歌えないんだろうと思って。それを(事務所に)言ったら、流れちゃったっていうのがあって……」 作詞作曲や楽曲制作も一から作っていたという。自分で曲を作ってきたKAEDEは、作詞面でもチームを引っ張る存在となっていた。 合宿2日目。ちゃんみなとの曲の構成決めへ。 Cチームが考えた曲のイメージは“ドロドロ”。KOHARUが思い浮かんだ案をみんなにも共有したところ採用されたという。過去の自分や自分の嫌な部分を全部振り払って、這い上がっていく。それを自分にも向けたメッセージとして、3人で曲を考えてきたそうだ。 ちゃんみなは興味深そうに「ドロドロから行くの? ドロドロから出るの?」と聞くと、3人は声を合わせて「出ます」と即答。 ボイスレコーダーにメロディを録音し、歌詞も考えてきた3人。さっそく仮歌を歌ってみせると、ちゃんみなからは「いいじゃん! そこもういいからレコーディングしよう」と好感触。すると楽しくなってきたのか、作曲経験者のKAEDEからさらにアイデアが。「ポストフック(サビのあとにつき、曲をさらに盛り上げる部分)を思いついて。コーラスに被せる感じで歌いたくて……」と、どんどん曲作りが進む。 あまりにも出来が早いので、歌詞も入れて仮録音へ。歌詞つきで再度歌うと、ちゃんみなは「めっちゃいい。メロウ(メロディ・曲調)もいいし」と絶賛。 プリプロを楽しんでいたKAEDE。普段の曲作りよりも本格的なレコーディング体験ができたことがうれしかったようで、「新鮮だったし、勉強になりました」と目を輝かせながらスタッフに話す。 そんなKAEDEについてKOHARUは、「KAEDE姉やんがいなければ、私は心が不安定になっていたと思っていて。作曲経験が8年あると言っていて、それだけで本当に安心というか」とスタッフに語っていた。 チームを引っ張るKOHARUと作曲経験のあるKAEDE。一方で、最年少のMOMOはふたりの才能に圧倒されていた。 「ふたりがすごすぎて、ついていけなかった。会話に全然入れない。MOMOがいなくても成り立つなとか思っちゃって。マイナス思考なのが悪いんですけど……MOMOってなんだろうって思っています」 合宿3日目は振り付けを開始。ダンスが得意なKOHARUとMOMOが引っ張る。それに対して、KAEDEはダンスが少し苦手だ。昨日とは打って変わって、「みんながすごく踊れてるから自分もがんばらなきゃと思ってたんですけど……」とネガティブな言葉が出てくる。 曲作りはスムーズに見えたCチームだったが、実は“チームワーク”となるとそれぞれ不安な面もあるようだ。KOHARUもまた、練習を重ねていくうちに楽曲の方向に違和感を抱いていた。スタッフに「私は歌詞を決めるときに伝えたいことを重視した歌詞を書きたい。伝えたい気持ち、もの、こと、がスッと伝わる表現をしたい。ほかのふたりは聴く側がどう捉えるかを重視した歌詞作りをするふたりなのかなって。そこでズレが生じて、今後大きくズレていって、関係的にもギスギスしたり、歌詞にまとまりがなくなったりしないか不安がある」と本音をこぼす。 そんななかで、合宿4日目。KAEDEは歌詞に迷っていた。歌詞の見直し中に「自分の歌詞、全部変えたほうがいいのかなって思ってきた」と言い、チームから外れてひとりに。スタッフが声をかけると、「チームに貢献できてるのかなって思っちゃった。チームのみんなは優しいからこれでいいと言ってくれるけど、100%が出せてなくて。みんなの前では泣きたくない。最年長だし。でもなんか……今までやってきたやり方が違うのかなって思ってきたら、自分って何が残ってるんだろうってすごく思って」と不安な心境を口にしていた。 KAEDEは胸の内をメンバーに打ち明けることに。「これで本当にいいのかなとか思ってたじゃん。自分だけこうなってるのって、チームとしてあれかなと思って……」とたどたどしくも気持ちを共有する。弱気になってるKAEDEに対して、MOMOは「もっと自信持って。いいものできても、本当に大丈夫かなって思っちゃうから」と励ます。そのあと、MOMOはKAEDEについてスタッフにこう話していた。 「ダンスが未経験なぶん、歌で引っ張っていくって言っていて。ちょっと考えすぎちゃったのかなと思うんですけど。KAEDEちゃんの作ったメロディとか歌詞とかすごくいいのに。MOMOはめっちゃ好きなのにすごく考えていて。考えすぎなんじゃない?ってMOMOは思うけど。でも、そういうところもKAEDEちゃんのいいところ」 Cチームはお互いに支え合いながら結束力をさらに深めていく。