日本の平均年収と中央値はいくら?10年前とはどれくらい違うのか?
「物価はどんどん高くなるのに、収入が増えないので暮らしが楽にならない」と感じている方も多いのではないでしょうか。 実は、日本人の平均年収は10年前と比較してそれほど大きく変化していません。 本記事では、日本の平均年収を10年前と比較するとともに、年収の平均値と中央値の違いについてもご紹介します。
年収の平均値と中央値の違いは?
日本人の平均年収を確認するにあたって、同時に把握しておきたいことが「中央値」です。 中央値とは、複数のデータを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる数値のことをいいます。 一方、平均値は複数のデータを合計した値を、その個数で割ったものです。比較する数値の中に極端に高い数値があると、その影響を受けてしまいます。 つまり、年収の平均値は一部の富裕層の影響を受けて高いほうに引っ張られてしまうため、平均値だけで判断するのは難しいといえるでしょう。 そのため、そのような影響を受けることがない中央値もあわせて確認することで、より実態に近いものを把握できるはずです。
10年前と現在の平均年収値と中央値を比較すると?
厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、2012年と2022年の平均所得金額と中央値の比較は表1のようになります。 表1
※筆者作成 平均所得金額と中央値ともに、この10年でほとんど変わっていないことが分かります。
賃金の変化や性別による違いについて
厚生労働省による「令和4年賃金構造基本統計調査」の賃金の推移から分かる一般労働者の賃金の変化や性別による違いを表2にまとめました。 表2
※筆者作成 男性より女性のほうが賃金は少ないものの、10年前に比べて男女間の賃金格差が少なくなっていることが分かります。その理由には、この10年で女性の正規雇用者が増加したこと、また、正規雇用の中でも管理職に就く女性の割合が増加したことが挙げられます。
10年間で何が変わったのか考えてみよう
現在の日本の平均年収は、10年前とあまり大きくは変わっていません。にもかかわらず、今は10年前と比べて物価が上昇しているだけでなく、消費税の増税や社会保険料が値上がりしています。 一方で、女性の社会進出により男性との賃金格差が減ってきていることなど、変化している点もあります。厳しい今の時代を生き抜くためにも、コツコツと貯金を増やし、将来への不安を軽減させましょう。 出典 厚生労働省 平成24年 国民生活基礎調査の概況 2.所得の分布状況 図13 世帯数の所得金額階級別相対度数分布(13ページ) 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 2.所得の分布状況 図9 所得金額階級別世帯数の相対度数分布(10ページ) 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 賃金の推移 1.一般労働者の賃金 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部