「やせたければおやつを食べなさい」血糖値の名医が暴く、強い食欲の正体
ただし、どんなおやつでもいいわけではないと玉谷先生。 「おやつを選ぶ上で重要なのが、含まれる糖質の量です。糖質の量が多すぎると血糖値は急上昇してしまい、かえって逆効果に。1回の糖質量は10gまで、カロリーは200kcal以下のおやつを選ぶことがポイント。また、おやつの頻度が多すぎるのもNG。血糖値が高いまま次の食事をとることになり、血糖値が上がりすぎてしまうのです」
多くの患者さんが実践
実際に玉谷先生の多くの患者さんが、前出の条件を満たしたおやつを生活に取り入れたことで、食べすぎをはじめとした身体の不調の改善や減量に成功しているという。そこでおやつの実例とともに、2人の患者さんの成功例を教えてもらった。 1人目は、糖尿病で悩んでいた65歳の女性。 「お腹がすきやすい昼食と夕食の間にはちみつ入り生姜湯を飲むことをすすめました。はちみつの糖質は血糖値を上げにくい性質があり、さらに温かい飲み物には空腹を落ち着かせる効果もあります。徐々に空腹を感じにくくなり、血糖値も順調に下がって安定するようになりました」 体重は3キロ減り、今では糖尿病の数値も改善したという。もう1人は、体重の増加や血糖値の上がりすぎを気にしていた70歳の男性。 「食事の量を減らそうと努力されていたそうですが、つい気がゆるんで食べすぎたり、口寂しさから頻繁に何かを食べたりしてしまうと悩んでいました。そこで、好物のきな粉を使った“きな粉牛乳”を、朝食の前に飲んでもらうことに。きな粉は低カロリーで、血糖値の急上昇を抑える働きのある食物繊維とタンパク質も豊富。タンパク質は食欲を抑える働きもあり、次の食事の量を減らす効果も期待できます。半年後には血糖値が安定し、体重も3キロ減少。身体が軽くなって心身共にリフレッシュできたことを実感したそうです」 さらに手軽なのはくず湯。 「温かくて腹持ちがいい。くずとはくずの根からとれる良質なでんぷんを精製した健康食品。補食で利用すると低血糖予防にもなります。市販品には甘味料が入っているものもあるので、混じりけのないくず100%のものを選んでください」 他にも、キウイフルーツや、高カカオチョコレートも血糖値の上がり方がゆるやかなのでおすすめだ。 「いきすぎた断食や、食事制限は身体に負担をかけリバウンドにもつながります。ダイエットは血糖値とどうやってうまく付き合っていくかがカギ。食べちゃいけない、という思い込みを捨て“適度に食べ、ゆるやかに空腹になる”を心がけてください」