兵庫県知事選挙で維新、公認なく対決姿勢を鮮明にできず…衆院議員選挙の比例では33万票減
日本維新の会が、党再建への糸口を見いだせていない。31日に告示された兵庫県知事選(11月17日投開票)では、県内に一定の支持基盤があるにもかかわらず、公認候補を擁立できなかった。衆院選敗北を受け、党執行部は代表選を実施する意向だが、馬場代表に代わる後継候補も見当たらないのが実情だ。 【図表】兵庫県知事選の構図
吉村洋文共同代表(大阪府知事)は31日、大阪府庁で記者団に対し、知事選について「積極的に関与することはない」と述べた。党が推薦した前知事はパワハラ疑惑などで辞任したが、維新は知事与党として対応が後手に回り、「擁護している」との批判を受けた。衆院選での議席減はこうした対応が影響したとみられ、実際、同県内の比例票は約45万票で、2021年前回選から約33万票減らした。
知事選には前知事も出馬するため、党内には、公認候補者の擁立で対決姿勢を鮮明にし、反転攻勢のきっかけとする考えもあった。だが、党県議団の出馬要請を受けた維新前参院議員は、「幅広い応援をいただく必要がある」として離党し、党の公認や推薦を受けず無所属で立候補した。
一方、馬場氏は31日の党常任役員会で「衆院選は負けた。全て私の責任」として代表選を早急に行うべきだとの認識を示したが、自身の進退には言及しなかった。常任役員会では、所属議員らに代表選を実施すべきかどうかを問う電子投票を実施し、11月上旬に結論を出す方針を確認した。党内では「有力後継がいない」との見方が多く、代表選を行っても馬場氏が続投する可能性が指摘される。
常任役員会では、衆院選で落選した音喜多政調会長の辞任が了承された。