日本株に4.9兆円の火種、信用買い残18年ぶり高水準-相場かく乱警戒
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「信用買い残が06年以来の高水準となる中、そこに金利が発生する影響について今から頭の体操をしても良いのではないか」と話す。
市場関係者の一部では、信用取引に対する懸念は過剰だとの見方があるのも事実だ。信用取引のポジションは日本株全体の時価総額のわずか0.5%強に過ぎず、ピークだった06年の1.1%強と比べても半分にも満たないためだ。
東海東京インテリジェンスラボの鈴木誠一チーフ株式マーケットアナリストは、買い方の評価損益率を見る限り、慌てて売らなければならない状況には追い込まれていないとの認識を示した。
ただ、日本株相場が伸び悩む中で信用買い残が拡大している状況は06年ごろの相場状況と似ており、先行きを警戒する市場関係者も少なくない。
松井証の窪田氏は「当時も商品価格が上がり、円安が進み、日銀がゼロ金利を解除したが、その後リーマンショックが来た」と回顧。今回はそうならないことを願うが、「一部金融機関の損失の話題が出るなど歴史が韻を踏んでる感じがある。嫌な感じだ」と述べた。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Momoka Yokoyama, Hideyuki Sano