持ち前の吸収力で3-4-2-1のボランチ争いに向き合う田中碧「難しさは面白さだと思う」
現在の日本代表で最も盤石な地位を築いているMF遠藤航(リバプール)とMF守田英正(スポルティング)のボランチコンビとポジションを争うMF田中碧(リーズ)だが、難しい競争の中でも持ち前の吸収力を活かし、前向きに3-4-2-1の新システムと向き合うことができているようだ。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 田中にとって3-4-2-1のボランチは所属クラブでプレーしたことがない役割。だが、初めてフル出場を果たした10月のオーストラリア戦(△1-1)でのトライを経て、さまざまな映像を通じて見識を深めてきたといい、次の中国戦で出場機会があればその成果を発揮する大きなチャンスとなる。 一つ鍵になるのは、バリエーション豊かな組み合わせが試されているシャドーの選手の活かし方だ。 「特にシャドーは選手によってスタイルが変わってくると感じている。前でプレーしたい選手か、落ちて触りたい選手かによってローテーションは少し変わるし、そこはすごく3-4-2-1の面白いところ。選手によって変わるのはすごくいいことなので、シャドーの選手を見ながら、試合だけでなく練習でもいろいろと考えながらやっていく必要がある」 そこは周囲からの吸収力に定評のある田中。課題を口にする際にも充実感がにじむが、その背景には「難しさは面白さ」という価値観があるという。 「難しさは面白さだと思う。チームで3-4-2-1をやっている選手はある程度、こうなったらこうという情報を持っている選手が多いけど、僕とかやっていない選手はいろんなシチュエーションを見ることでこうなったらこうなるんだと刺激にもなるし、そこはすごく面白いなと思うし、伸び代だなと思う」 「シャドーの選手も(クラブチームで)4-3-3のシャドーの選手はたくさんいるかもしれないけど、3-4-2-1のシャドーの選手はそんなにいないだろうし、ここでいろんな選手の動きを見て変化をつけられるという意味では、目立つ役割ではないかもしれないけど、すごく重要な役割ではあるのかなと思う」 新たな挑戦はプレーの幅を広げる大きなチャンス。「(ボランチは)ボールを持った瞬間にフォーカスされがちだけど、ボールを持っていないところでもここに立つことで誰かが空くというのもあるし、“何もしないけど周りが活きている”というような見えない役割がすごく重要だなと思う」。3-4-2-1におけるボランチの奥深さと日々向き合っているようだ。 またそうしたトライの中では、前回の反省点も突き詰めていく構えだ。オーストラリア戦後には「もう少し前に入って行っても良かった」と課題を挙げつつも、「より高い位置に出て行けるし、アンカーとしてもプレーできるし、僕はサイドに行ってもできるので、立ち位置をうまく整備できればより面白いサッカーができる」と話していた田中。次の相手は引いて守ってくることが想定される中国とあり、得点に関わる活躍にも期待がかかる。